...とりわけて藍と洋紅とは喫驚(びっくり)するほど美しいものでした...
有島武郎 「一房の葡萄」
...とりわけて自分自身の心が彼にはわからなかったのである...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...が、とりわけては、ずっとむかし、わたしが川を舟でさかのぼってここに遊んだときの記憶で、そのときはこの家は赤カエデの茂った林のうしろに隠れ、それをとおして飼犬の吠え声が聞こえてきたのであった...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...とりわけて緑平老からのそれはうれしいものであつた...
種田山頭火 「其中日記」
...とりわけてうれしかつたのは――澄太君の手紙(切手と先日の写真とが封入してあつた)...
種田山頭火 「其中日記」
...関門はとりわけてその色彩が濃く眼にしみ入る...
種田山頭火 「其中日記」
...大山の奥さんからのたよりはとりわけて...
種田山頭火 「其中日記」
...とりわけて――しみ/″\ありがたいと思つた...
種田山頭火 「其中日記」
...とりわけて鏡君の手紙はうれしかつた...
種田山頭火 「其中日記」
...とりわけて亡き父上の御遺言が耳の底に止まって心のうちに忘れられません...
中里介山 「法然行伝」
...今歳この度とりわけて珍らしきさまにもあらぬを...
樋口一葉 「ゆく雲」
...とりわけて、特高刑事だと明されたときの、強烈な印象を思いかえす...
久生十蘭 「金狼」
...船頭がとうもろこしの煮抜きのようなものを皿にとりわけてくれた...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...とりわけて私に顔をお見せにならない態度には理由のあることでしょう」と言い...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...四そこにはとりわけて彩りもなく飾りもない...
柳宗悦 「民藝四十年」
...遠く近く咲く花にはとりわけて珍しいものもないが...
柳田国男 「雪国の春」
...雨の後などとりわけて鮮けく...
若山牧水 「樹木とその葉」
...とりわけて空の深い朝であつた...
若山牧水 「岬の端」
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