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種田山頭火 「行乞記」
...又何かしらとりとめもなく...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...胸にはいろいろのことがとりとめもなく想い出された...
徳田秋声 「足迹」
...彼はその日々をとりとめもなく過ごしてゆく自由気ままな年齢――幸福な年齢――に達していた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そしてとりとめもなくおたかとその周囲とのことを腹立たしく思い起していた時...
豊島与志雄 「球突場の一隅」
...とりとめもなく過ぎし日を思い...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...渠は次のようなことをとりとめもなく考えていた...
中島敦 「悟浄出世」
...蝿(はへ)はブンブン 唸つてる畳ももはや 黄色くなつたと今朝がた 誰かが云つてゐたつけそれやこれやと とりとめもなく僕の頭に 記憶は浮かび浮かぶがまゝに 浮かべてゐるうちいつしか 僕は眠つてゐたのだ覚めたのは 夕方ちかくまだかなかなは啼(な)いてたけれど樹々の梢は 陽を受けてたけど...
中原中也 「在りし日の歌」
...『木綿以前の事』をぼつぼつと読みながら、とりとめもなく、昔の夢に浸ることによって、私は数日の日を思わず楽しく送ることが出来た...
中谷宇吉郎 「民族的記憶の名残」
...とりとめもなく手(た)ぐりだし楽しんでいたのである...
長谷川時雨 「西川小りん」
...とりとめもなく千里を走り...
林芙美子 「浮雲」
...とりとめもなくなった思慮を手ぎわよく取まとめることさえ一困難である...
久生十蘭 「魔都」
...頭は夢のやうにとりとめもなく煙つてゐるばかりだつた...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...若者達はとりとめもなくまくし立てながら...
牧野信一 「まぼろし」
...娘は絶えず丸(ま)あるい声でいろいろの事をとりとめもなく話しながら人形の着物を縫って居た...
宮本百合子 「グースベリーの熟れる頃」
...皈りの自動車の中で紀久子はとりとめもなくおきえさんのことを考えていた...
矢田津世子 「父」
...また、わたくしに導母(どうぼ)の杖(じょう)を授けてくれた亡き母の導きもあるでしょう」「……では、母御は」「亡くなりました」茫然たるまま、とりとめもなく、語りかけたが、「そうだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...私は心臓が変調を来たしたような心持ちでとりとめもなくいろいろな事を思い続けました...
和辻哲郎 「ある思想家の手紙」
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