...崇拜者をつなぎとめる爲に...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...倉地の愛をつなぎとめる禁厭(まじない)のように思えるからしている事だった...
有島武郎 「或る女」
...決していつまでも有力な支配力をつなぎとめることは出来なかった...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...なんとかして大池の命をつなぎとめることだ...
久生十蘭 「肌色の月」
...養子をつなぎとめる鎖が太いわけなのである...
火野葦平 「花と龍」
...「わしは、そなたの母御が、好きであったのだ――どうにもして、わがものにしたかったのだ――それは、いいことではなかった――わるいことであった――が、わしが、そなたの母御を、忘れかねたのは、ほんとのことじゃ――いつわりではない――」「母は、父親の女房だったのでござります――それを、言うことを聴きさえすれば、松浦屋を、つなぎとめるの、つぶすのと、くるしめ、いじめ――とうとう、あわれな母は、舌を噛んで、こう舌を噛んで亡(う)せたのでござりますぞ――」「ゆ、ゆるしてくれ、雪之丞――ゆるしてくれ! ああ、今ぞ思い当ったぞ――この一ヵ月に、思いもよらず、長崎以来一党の滅亡――さては、そなたの呪いであったのだな――」三斎隠居は、部屋の隅に、追いつめられたようになって、目を両手でふさごうとする...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...(プロペルティウス)ただ一筋の綱はとてもわたしをつなぎとめるに足らない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...あの子の心をしっかりあなたにつなぎとめるために」由利はあふれてくる涙を押しぬぐった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...彼には自分をつなぎとめることはできない...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...裏切るために人の好意や信頼をつなぎとめるということは辛い...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...この珍しい人物をつなぎとめるのが女王のためになるという結論に達した...
和辻哲郎 「鎖国」
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