...おまえは、ついさっき、作ってもらったばっかりなんだからな...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「雪だるま」
...ついさっきまで、これと全く同じ匂いをかいでいた様な気がする...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...ついさっきまでまだ夢のように...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...それにしてもついさっきまでは御きげんがようござりましたのに...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...ぼくがついさっき目をさました時なんか...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...疲れていたもンでついさっき叩きおこされるまで...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...こんな切迫した面つきをして引手茶屋に潜伏していたところを見ると、ハッチソンはこの事件に何か重大な関係を持っているようにも思われるのだが、それはそれとして、ハッチソンが、そんなふうに誘いをかけると、印東はすぐ乗って来て、顎を突き出すようにして物物しく声をひそめ、「実はね、ハッチソンの旦那、あたし、ついさっきまで、山木が鶴子を殺して王様(ロア)の金剛石(ディアマン)を奪ったんだとばかし思っていたんです...
久生十蘭 「魔都」
...ついさっきの二度の活劇の立役のポケットから落ちたものと思うほかはない...
久生十蘭 「魔都」
...「妾(わたし)はどうしても復讐(ふくしゅう)せずにおかぬとついさっきまで決心していました」と真実をおもてにあらわして検事につげた...
平林初之輔 「誰が何故彼を殺したか」
...ついさっきまで彼等のみすぼらしい住居(すまい)のあった場所に建っているのを見た時の彼等のおどろきはどんなだったでしょう!『あれがお前達の家だ...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...だが別離がついさっきだったので...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...まだ心の育ちかけの漸々赤坊と云う名からついさっきはなれたと云う様な時に「お久美さんは可愛い」と思い込んだのが一種の感情の習慣になって...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...――ついさっき、悲(かな)しみのあまり泣いたように...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...ついさっき来た時には...
吉川英治 「江戸三国志」
...「ついさっき、大判事どのは、俄な御腹痛とか申されて、先に一人お帰りでござった」「……無断でか」無口な日野資朝が、にがりきって、杯をふくむ...
吉川英治 「私本太平記」
...とくに、ついさっき、右馬介がこれへ来て、その報告により、正成との最後交渉も切れたことを知ってからは、いちばい無口な表情をこわめていた...
吉川英治 「私本太平記」
...じつアついさっき...
吉川英治 「新・水滸伝」
...そうそう言い遅れたが、張順さん、ついさっき、截江鬼(せっこうき)の張旺(ちょうおう)のやつが、ここをあたふた通って行ったぜ」「ふウむ、野郎、通って行ったか」「一ト足ちがい、まったく惜しいことをした」「いや、俺は大事な使いの途中、けちな仕返しには関(かかわ)ッていられねえよ」「でも、あんな悪党を、みすみす逃がすのは、天道さまのおはからいに反(そむ)くから、オイ截江鬼(せっこうき)、今日は酒の仕入れに、北岸まで行きてえんだ、おめえの船で渡してくれろと、巧くだまして、彼方(むこう)の渡口(とこう)に野郎を待たせておきましたよ」「そうか...
吉川英治 「新・水滸伝」
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