...たどたどしい文字で書きしたためられていることもある...
太宰治 「作家の手帖」
...いかにもたどたどしい東京言葉で...
太宰治 「惜別」
...といったような意味のことがたどたどしい文字で繰り返し繰り返し認(したた)められてあった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...筆の運びこそたどたどしいものの...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...科学も文学も等しくこの未来の「学」の最後のゴールに向かってたどたどしい歩みを続けているもののようにも思われるのである...
寺田寅彦 「科学と文学」
...どうかするとたどたどしい舌(した)で弁(しや)べつた...
徳田秋聲 「微笑の渦」
...ややたどたどしいその文章によって...
戸坂潤 「読書法」
...少年は不正確なたどたどしい話し方をしたが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...たどたどしい読書に耽ってる正子よりも...
豊島与志雄 「春盲」
...ところどころ憶えた祈りを添えるカヤノのたどたどしい声が聞こえるようだ...
永井隆 「この子を残して」
...あのたどたどしい足どりを...
中里介山 「大菩薩峠」
...たどたどしい仮名文字で...
長谷川時雨 「モルガンお雪」
...思イキッテ、出テ来ンサイ」それから、いつでも、自分の親方(おやかた)の浜尾組で、部屋仲仕(へやなかし)として引きとること、住居、賃銀、門司の港と町の賑わい、都会の面白さ、などが、たどたどしい、しかし、心をときめかさずには居られないような書きかたで、こまごまと、記(しる)されてあった...
火野葦平 「花と龍」
...しかもたどたどしい暖昧なとらえ方である...
平林初之輔 「文芸は進化するか、その他」
...第一章朝のうちに神戸港を出帆した汽船浪花丸がひどくたどたどしい足どりで四国のこの小さな港町に着いたのは...
北條民雄 「青年」
...眼もあげずに、たどたどしい、さまよいの足どりで、室の奥のほうを横切ると、反対側の戸口を通って、彼女は消えてしまった――物言わず凝然と、踏み迷いながら無意識に...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...きわめてたどたどしい手つきで庖丁を研いでいる...
山本周五郎 「柳橋物語」
...まもなく丘の下から兵にともなわれて来るたどたどしい二人があった...
吉川英治 「私本太平記」
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