...午後の日射は青田の稻のそよぎを生々照して...
石川啄木 「鳥影」
...匂(におい)ある涼しい戦(そよぎ)をあたりに漲(みなぎ)らせている...
太宰治 「正義と微笑」
...風は馬のために出来るだけ軽くそよぎ...
谷譲次 「踊る地平線」
...……竹を伐る――伐られる竹――葉のそよぎ――倒されて枝をおろされて...
種田山頭火 「其中日記」
...・雑草に夜明けの月があるしづけさ・笹のそよぎも梅雨らしい雨がふりだしたあたゝかく日がさすところよい石がある・五月の海は満ちて湛へて大きな船故郷にて・螢ちらほらおもひだすことも六月十五日晴れたり曇つたり...
種田山頭火 「其中日記」
...生命のそよぎもありはしない...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...プラタナスの若葉がそよぎ...
外村繁 「日を愛しむ」
...静かにそよぎ震えている...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...和音のそよぎ、鐘のように鳴り響く色調、蜜蜂(みつばち)の羽音に似た和声(ハーモニー)、恋せる唇(くちびる)のように微笑(ほほえ)む旋律(メロディー)...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...笹の葉のそよぎに...
豊島与志雄 「操守」
...木蔭(こかげ)の微風(びふう)のそよぎや...
中島敦 「木乃伊」
...草がさやさやとそよぎ出して...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...聞えない? 風が何て靜かなそよぎになつたんだらう? そしてもう窓硝子(まどガラス)に打ちつける雨の音もしない...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...丘(おか)の草もしずかにそよぎ...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...その衣の間に草のそよぎを感じるような気はいさえあったのでございます...
室生犀星 「あじゃり」
...柳のそよぎに明滅していた...
吉川英治 「大岡越前」
...笙(しょう)をあわせて吹くごとき竹林(ちくりん)の風――ザザザザザッ……とそよぎ渡ったかと思うと...
吉川英治 「神州天馬侠」
...草一本のそよぎにでも...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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