...そのうちに村の學校に缺員が出來ると...
石川啄木 「葉書」
...そのうちに、おたくの門まで五十メートルほどのところへ来ました...
江戸川乱歩 「おれは二十面相だ」
...と、そのうちに、やつぱり王さまから、および出しが来ました...
鈴木三重吉 「ダマスカスの賢者」
...きょうはそいつらのために買い出し」などと、これもまた久し振りで逢った者同志のおきまりの挨拶を交し、それから、二人に共通の知人のその後の消息をたずね合ったりして、そのうちに、ふとマダムは口調を改め、あなたは葉ちゃんを知っていたかしら、と言う...
太宰治 「人間失格」
...そのうちに、ねずみはついにあきらめたものか、向こうのすみにうずくまってしまった...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...そのうちにこの製錬法は一廠の問題だけではなくなり...
中谷宇吉郎 「千里眼その他」
...美紗 なんのこと?八穂 そのうちに...
久生十蘭 「喪服」
...そのうちにそれは殆んど小止みなしに降り続き出した...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...私は十月一杯はどうしても動けないがそのうちに又折を見て...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そのうちに見せてやろう...
三好十郎 「恐怖の季節」
...そのうちに、ニールスは牛小屋らしい建物(たてもの)を見つけました...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...そのうちにこの地方の小鳥の習性も少しずつは変り...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...そのうちに昂奮して神経が釣り上って来ると...
夢野久作 「鉄鎚」
...そのうちにもう頭が疲れて...
夢野久作 「所感」
...そのうちに、はしなく、ここに一椿事(ちんじ)がおこった...
吉川英治 「私本太平記」
...そのうちには、なんとかいい運(うん)がひらけてくるだろう」「じゃ親方(おやかた)、また裾野(すその)の人無村(ひとなしむら)へかえって、テンカンテンカンやるんですか」「どこに住(す)むかわからないが、てめえもこれからは、無断(むだん)でほうぼうとんであるくと承知(しょうち)しないぞ」「へ、へい」「どこまでもおれについていろ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...そのうちに、天下大赦(たいしゃ)の令があった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...「…………」性善坊は、すこし、傍(わき)へ避けて、兄弟の姿から眼をそむけながら、ぽろぽろと、頬をながれるものを、忙しげに、手の甲でこすっていたが、そのうちに、範宴は、何を思ったか、不意に、弟の手を払って、後(あと)も見ずに、走ってしまった...
吉川英治 「親鸞」
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