...溜飲(りゅういん)の下がるような小気味よさが小おどりしつつ走(は)せめぐった...
有島武郎 「或る女」
...畫工は大息つきて一つところを馳せめぐりたり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...外國に對して兄弟牆にせめぐことをば見せぬやうにしたのが...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...あなたを探して船の上から下まで馳(は)せめぐった...
田中英光 「オリンポスの果実」
...石火せめぐほどの自己闘争が身をも心をも焼きつくすだらう...
種田山頭火 「其中日記」
...小太郎は、土間の人数、表の気配をうかがって、それが、相当に多人数であると、判ると同時に、憤りと、悔恨とが、頭の中を、突っつき廻して、馳せめぐった...
直木三十五 「南国太平記」
...なんて――あの子が海岸を馳(は)せめぐって...
中里介山 「大菩薩峠」
...東西を走(は)せめぐる七兵衛と...
中里介山 「大菩薩峠」
...焔の外側を走(は)せめぐった...
長谷川伸 「討たせてやらぬ敵討」
......
一葉稿 「五月雨」
...今日も明日もと友達のもとを馳せめぐりて何やらん用事はあるものなり...
樋口一葉 「ゆく雲」
...今日(けふ)も明日(あす)もと友達(ともだち)のもとを馳(は)せめぐりて何(なに)やらん用事(ようじ)はあるものなり...
一葉女史 「ゆく雲」
...子供は泣(な)いてそのまわりをはせめぐったと申(もう)しまする...
宮沢賢治 「雁の童子」
...はっきりわかれず一緒にいる以上相せめぐのが習慣で暮すのは...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あの混沌として相せめぐいろいろな薬によって...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...いわゆる同族相せめぐの誹(そし)りも...
吉川英治 「三国志」
...ついに兄弟(けいてい)墻(かき)にせめぐの形を取ってあらわれた...
吉川英治 「三国志」
...そうしてその内に馳(は)せめぐるおおらかな線との大きな静かな交響楽なのである...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
便利!手書き漢字入力検索