...尤(もつと)も当時のカリエス患者は既に脳病にはあらざりしなるべし...
芥川龍之介 「病中雑記」
...この宣告の早かりしにはフエデリゴの私(ひそ)かに贈りし「パオロ」一枚の效驗もありしなるべし...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...そは要するに遂に表面に過ぎざりしなるべしと記載し...
石川啄木 「日本無政府主義者陰謀事件經過及び附帶現象」
...唯大學としての設備が不十分なりしなるべく...
大町桂月 「小日向臺」
...深く帝の信任を得しなる可く...
高木敏雄 「比較神話学」
...も存在せしなるべし...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...早く其の政略の弊害斯くの如くならむことを豫期せざりしなる可し...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...その性行放縦無頼(ほうしょうぶらい)なりし事より推察するに画工としてもまた頗(すこぶ)る覇気(はき)ありしなるべし...
永井荷風 「江戸芸術論」
...われは心窃(ひそか)に赤痢(せきり)に感染せしなるべしと思ひ付くや人の話にてこの病の苦しさを知り心は戦々兢々(せんせんきょうきょう)たり...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...一度(ひとたび)交誼(こうぎ)を結ばんとの念はありしなるべし...
福田英子 「妾の半生涯」
...作者の奈良に遊びし時あたかも菊の咲く頃なりしなるべく...
正岡子規 「俳諧大要」
...哀れに悲しき聲をぞ立てしなる...
正岡子規 「花枕」
...如何にして貯金をなすべきかを究むる事など未だ世の人の心に多く觸れざりしなるべし...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...このみちの醸すがごとく粟葉などひかりいでしはひがしなる山彙の上に黄なる月いざよへるなり夏の草山とになひてやうやくに人ら帰るをなにをかもわがかなしまんすゝきの葉露をおとせり...
宮沢賢治 「〔このみちの醸すがごとく〕」
...陽気発出せしなるべし...
武者金吉 「地震なまず」
...怪しみ見送る人もありしなるべし...
森鴎外 「舞姫」
...この椀自ら流れて来たりしなるべしといえり...
柳田国男 「遠野物語」
...○ニタカイはアイヌ語のニタトすなわち湿地より出しなるべし...
柳田国男 「遠野物語」
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