...大象の足にまがはうずしたたかな手を大地について...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...しかし倉地はああいうしたたか者だ...
有島武郎 「或る女」
...したたか腰骨を痛めて三日寝た...
石川啄木 「刑余の叔父」
...したたか可恐(こわ)い思いをした小村さんは...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...したたか酒に食べ酔った後の所在なさ...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...彼は残りの者どもを一緒にしたより二倍ものしたたか者であった...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...その手はまたしたたか死人の顔に当った...
田中貢太郎 「断橋奇聞」
...彼は杖で鎧戸をしたたか叩いてやろうとしたが...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「乞食」
...額やや禿(は)げて目じりたれ左眼の下にしたたかな赤黒子(あかぼくろ)あるが...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...なかなかのしたたか者だと思わないわけにはゆきません...
中里介山 「大菩薩峠」
...したたか鼻の先にぶらさげて...
中里介山 「大菩薩峠」
...何やら闇を縫って飛んで来た物が、したたかに、左母次郎の振りかぶった拳(こぶし)を打ったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...敷居でしたたか頭を打ったらしく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...書き手のしたたかさに感嘆したが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...著書もしたたかあるという訳で...
正岡子規 「俳句上の京と江戸」
...長はしたたか者だぞ」騒ぎがしずまり...
山本周五郎 「青べか物語」
...――燕作はしたたかに手首(てくび)をうたれて...
吉川英治 「神州天馬侠」
...そうしてそのしたたかな才能とが...
和辻哲郎 「鎖国」
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