...緑蔭と日光との綾の中にさながら小跳(こおど)りをしているようだ...
有島武郎 「フランセスの顔」
...彼の思想はさながら旋風のように脳裏を一廻りした...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...人をして宛然(さながら)自から創作する如き享楽無からしむ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...さながら希臘(ギリシャ)か古羅馬(ローマ)貴族の邸にでも佇んで在りし昔の豪華なる俤(おもかげ)でも偲(しの)んでいるかのような気持がしてくるのであった...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...さながら罪業の深い長者に代って...
田中貢太郎 「長者」
...さながら宇宙の真黒な謎を背景にして燃えているようであつた...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「とけない問題」
...數はさながら深林の緑葉或は海の沙...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...さながら移民船の一室だ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「唇のねじれた男」
...日々吹き募る北風は雪を誘い雨を帯びざる日にもさながら髄を刺し骨をえぐりて...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...さながら鳥が両翼をひろげて...
中里介山 「大菩薩峠」
...獲物(えもの)啖((く))つたる年寄さながら驚いて...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...さながら緑の雲か...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...さながらの縮図となつて展開されて来る...
三宅やす子 「買ひものをする女」
...それは虚飾のない男の美しささながらで...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...さながら凱旋門上のバワリアなりと思はれぬ...
森鴎外 「うたかたの記」
...形而下学と形而上学とがさながら現われて来て...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...さながらに極楽と云おうか...
夢野久作 「冥土行進曲」
...さながら羅刹(らせつ)だ...
吉川英治 「神州天馬侠」
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