...さながら、遠き昔の聖の墓とばかりに...
石川啄木 「公孫樹」
...冬さながらの吾心...
アルテュル・ランボオ 上田敏訳 「醉ひどれ船」
...腹つくばひてその上に五月の蝶にさながらの笹舟を流す...
アルテュル・ランボオ 上田敏訳 「醉ひどれ船」
...日光に照されてさながら金烏(きんう)のごとき光を發し...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...宛然(さながら)黒人種(エシオツプ)の耳元(みゝもと)に希代(きたい)の寶玉(はうぎょく)が懸(かゝ)ったやう...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...さながら月に似たるもの其額上にいちじるし...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...余はさながら虻(あぶ)の様に...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...さながら信玄公の姫君でも御入来(ごにゅうらい)になったように騒ぐのだなと思っているところへ...
中里介山 「大菩薩峠」
...赤道特有の絡みつくようなひどい暑気で船艙はさながらの蒸風呂になり...
久生十蘭 「ノア」
...その音は一同の耳にはさながら轟くが如くに聞きなされる...
久生十蘭 「魔都」
...さながら狂暴な荒海が広い海浜から暴風(あらし)に乗つて押し寄せ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...だんだん赤らんで来るではないか――さながら生きもののやうに蠢めきながら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...軒(のき)ごとに紅燈(こうとう)の影美しく飾られて宛然(さながら)敷地祭礼の如くなり...
福田英子 「妾の半生涯」
...さながらいどむかのような表情で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...さながらに緑の波の中に据えられた巨大な魔術の箱みたように感じられましょう...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...さながら人間の物好きか...
吉川英治 「上杉謙信」
...さながら、岩角に雄躯(ゆうく)をのばした牡獅子(おじし)の姿――壮であり美であった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...そのくせ古武士さながらのあの風貌と気節は...
吉川英治 「落日の荘厳に似る」
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