...早くも口さがない生徒間の評判になっているのを何かのおりに話したのですぐ思い当たったけれども...
有島武郎 「或る女」
...葉子の名は口さがない婦人患者の口の端(は)にうるさくのぼっているに違いない...
有島武郎 「或る女」
...それは縦と横とがあるきりで、高さがない...
海野十三 「第四次元の男」
...高さがないのだから恰(あたか)も紙の表面だけの世界である...
海野十三 「地球要塞」
...二十面相は、あわてたものだから、その秘密の出口の石をとりのけたまま、ふさがないで、逃げたんだ...
江戸川乱歩 「青銅の魔人」
...しかしまた快活な自由さがないではない……...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...しかし私にはその余儀なさがない...
高田保 「貸家を探す話」
...やはり日本伝統的のゆかしさがないことはない...
種田山頭火 「行乞記」
...このちぐはぐな凹凸は「近代的感覚」があってパリの大通りのような単調な眠さがない...
寺田寅彦 「銀座アルプス」
...ある意味では野蛮でブルータルであると同時に一方ではまた新鮮で明朗で逞(たくま)しい美しさがないとは云われない...
寺田寅彦 「マーカス・ショーとレビュー式教育」
...口さがない楽屋雀(がくやすずめ)はよい事は言わないで...
長谷川時雨 「松井須磨子」
...くちさがない連中の言い草ではないが...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...どこ一つとして患者らしい醜悪さがないのを見ると...
北條民雄 「いのちの初夜」
...口さがない世間は我が一族のような邸宅がどこにもないことを知っている...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...その美しさがないということはありえない...
宮本百合子 「現代の主題」
...どこにも民器の美しさがないからです...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...自分の中にはあのような文化の寒さがない...
横光利一 「欧洲紀行」
...あくまで口さがない...
吉川英治 「私本太平記」
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