...彼は掻き傷にこもる恐しい妄執にふと心戦(おのの)くことはなかったか...
江戸川乱歩 「お勢登場」
...内にこもるもので...
大手拓次 「「香水の表情」に就いて」
...「我らのもっとも忠誠こもる感謝の念を捧げまいらせます...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...蒲生どのゝたてこもる日野じょうへとりつめてまいりました...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...わたくしもいただきまする其中一人いつも一人の草萌ゆる枯枝ぽきぽきおもふことなくつるりとむげて葱の白さよ鶲また一羽となればしきり啼くなんとなくあるいて墓と墓との間おのれにこもる藪椿咲いては落ち春が来たいちはやく虫がやつて来た啼いて二三羽春の鴉で咳がやまない背中をたたく手がない窓あけて窓いつぱいの春しづけさ...
種田山頭火 「草木塔」
...一晩じゅう母屋(おもや)にただひとり閉じこもるのが習慣であった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...穴こもるたはれ狐か...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...本来ならば一週間や十日は喪にこもるべきですが...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...土蔵に立てこもるくせがついた...
野村胡堂 「胡堂百話」
...わが分析的競技者は決して自分だけの中に閉じこもることをしないし...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「モルグ街の殺人事件」
...なだらかな描写にこもるはりつめた気力という点で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...孤独は内に閉じこもることではない...
三木清 「人生論ノート」
...わたしはわたしのうちに閉じこもる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼は貝殻にとじこもる貝のように...
山川方夫 「その一年」
...天に吠える群犬の声にはいんいんとこもる悲哭(ひこく)があって...
吉川英治 「私本太平記」
...天嶮(てんけん)を擁(よう)してたてこもるとりでの山...
吉川英治 「神州天馬侠」
...思わずムラムラとする殺念が剣にこもるのを禁じ得ない――...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...なぜ子供に対してまで「自分の内に閉じこもること」を続けたのでしょう...
和辻哲郎 「ある思想家の手紙」
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