...僕は前にとつて置いた僕の部屋へこもる為に人気のない廊下を歩いて行つた...
芥川龍之介 「歯車」
...六月の雨六月はこもるあめ...
大手拓次 「藍色の蟇」
...この王が一隅にとぢこもるが如き也...
大町桂月 「國府臺」
...カイツブリはその危機をすごすために淋しい池に引きこもる...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...城壁中にこもること未だ汝に足らざるや?いにしへよりしプリアモス...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...そういう原理に立てこもるのは単に今日のブルジョア解釈哲学の無意味にしか過ぎない...
戸坂潤 「思想としての文学」
...あたかも毛虫がみずから紡いだ巣の中にこもるように...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...クリストフは仕事をするために室にこもるときに...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...無関心のうちにこもる言い難き酷薄さとをもって...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...さゝやきし其時の息やこもるなつかしやとばかりつく息も苦氣(くるしげ)なり...
長谷川時雨 「うづみ火」
...あわれ病人(やむひと)やあつしくなりにしがあたゝかき息こもるうばらの園(その)うやさまよう...
長谷川時雨 「うづみ火」
...物の焼ける匂いが四囲にこもる...
林芙美子 「晩菊」
...松竹座にたてこもるエノケンは...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...三四年は山へこもる決心をして此処へ来ました」二十四五歳の弱々しい技師君である...
正木不如丘 「釣十二ヶ月」
...それから暗い部屋に外科医と一緒に閉じこもるキュリー夫人の前に...
宮本百合子 「キュリー夫人」
...風呂舎いっぱいにこもるようで...
山本周五郎 「山彦乙女」
...なぜ子供に対してまで「自分の内に閉じこもること」を続けたのでしょう...
和辻哲郎 「ある思想家の手紙」
...ただその狭い領域に立てこもることの危険を感ずるのである...
和辻哲郎 「院展遠望」
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