...この上にもなお向うの誠意を哀求するような心持で丁寧にお礼をいった...
近松秋江 「狂乱」
...」ブーシャール嬢は背が高く生々(いきいき)とした姿でこの上もなくかわいい薔薇色(ばらいろ)の顔つきをしていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...「この上、錢形のが來たところで、氣の毒だが仕事はあるめえよ」萬七は言ひたい放題の事を言ふと、背を向けて人混みの中へ顎(あご)をしやくりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この上、お幾をさいなむ殘酷さをつく/″\考へたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この上樂しみがあつちやもつたいないぜ」「あれ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この上なしの言葉がたきで...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...この上は堪(こら)えてつかわさぬぞ」などとのたまい...
久生十蘭 「玉取物語」
...その霧がこの上もなく大きいので...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...もとはこの上着の原料が...
柳田国男 「木綿以前の事」
...無事にお届が相済んで祝着この上もない……まず一献(いっこん)……」贋(に)せ侍斬りに就いて大目附へ出頭した紋服姿の石月平馬と...
夢野久作 「斬られたさに」
...「この上はぜひもありません...
吉川英治 「三国志」
...まんまと計られた相手に、この上、未練なすがたを見せたいのか」云い終ると、彼のすがたも、ひらりと楼の内にかくれ、後にはどっと手をうって笑う声のみが聞えた...
吉川英治 「三国志」
...何してもご名誉この上もないことだ」「徳うすく功も乏しき微臣に...
吉川英治 「三国志」
...大祝この上もない...
吉川英治 「新書太閤記」
...……この上は李応どのの援助を待たず...
吉川英治 「新・水滸伝」
...――この上は、ひとつ、三十三間堂から、いい弦鳴(つるな)りを聞かせてくれ...
吉川英治 「死んだ千鳥」
...破れかぶれも手伝って、血の逆(あが)った連中ばかりが、もう滅亡したも同様な四条道場に首をあつめ、この上は、多少の外聞にかかわろうとも、なんでも武蔵を打ち殺してしまえ、師匠の讐(かたき)を弟子が打つ分には、敢て、尋常な手段や作法にこだわっている必要はない――と公然、今度こそは大勢しても武蔵を討つと、言明しているのだ」「ホウ……そうか」聞くだけでも耳が娯(たのし)むように、お杉は眼をほそめて、「それでは、いかな武蔵めも、こんどはなぶり斬りに遭(あ)うじゃろう」「いや、そこはどうなるか分らない...
吉川英治 「宮本武蔵」
...聞けばこの上には東照宮があるのみで...
若山牧水 「鳳來寺紀行」
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