...すると「王子の叔母さん」と云う或遠縁のお婆さんが一人「ほんとうに御感心でございますね」と言った...
芥川龍之介 「点鬼簿」
...お婆さん、早附木を下さい、早附木を、といった、私の唇の動くのを、熟(じっ)と視めていたッけがね...
泉鏡花 「悪獣篇」
...肩と首とで、うそうそと、斜めに小屋を差覗(さしのぞ)いて、「ござるかいの、お婆さん...
泉鏡花 「悪獣篇」
...……婆さんは幾らも居る、本宅のお針も婆さんなら、自分に伯母が一人、それもお婆さん...
泉鏡花 「悪獣篇」
...「お婆さん、お婆さん、そこにあるせんべいを五十銭ばかり下さい」彼は欲しくもない買物をして何気なく尋ねて見た...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...お婆さんにお給仕されてごはんを食べながら...
太宰治 「お伽草紙」
...このお婆さんは、このごろお酒が貴重品になつてゐるといふ事実を、知らないのではなからうかとさへ疑はれた...
太宰治 「津軽」
...つれてめえりやしたでしょうな?」「お婆さんですよ...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...「お婆さん、お前さんは、よくもうちの児(こども)を殺してくれたね」老婆は文世高の忍び込んだことが顕われたと思った...
田中貢太郎 「断橋奇聞」
...私のうしろのお婆さんは毎日郵報(デエリイ・メイル)を拡げ出し...
谷譲次 「踊る地平線」
...不思議な力を有する一人のお婆さんから...
谷譲次 「踊る地平線」
...山形あたりに生まれてそこここと流れ渡ってきても故郷の言葉が失せないという元気なお婆さんもあった...
田山花袋 「田舎教師」
...お婆さんになった時のことまで考えてるんだ...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...お婆さんもいい心持になって...
中里介山 「大菩薩峠」
...「アイルランドで一番上手な笛吹きです」お婆さんの一人が床を一遍踏み鳴らしたら...
宮本百合子訳 「二つの短い話」
...このロシヤのお婆さんにもひどくしつくりと似合ひました...
林芙美子 「シベリヤの三等列車」
...お婆さんが御飯炊きならあると云ったけれど...
林芙美子 「新版 放浪記」
...うつかりお婆さんと言ひましたので...
宮原晃一郎 「豆小僧の冒険」
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