...ひろいやみの中に...
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」
...黄色いカーテンで隠されていたが、太い鼈甲縁(べっこうぶち)の目がねをかけ、ベレー帽に茶色のジャンパーを着た、いやみな股野が、そこにいることが想像された...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...そういう厭味(いやみ)がまるでない...
高村光太郎 「黄山谷について」
...うまくていやみがなかつた(ナマクサイモノを食べたのは...
種田山頭火 「行乞記」
...宵暗(よいやみ)にまぎれてそっと通ってみることもあったが...
近松秋江 「狂乱」
...どことなく厭味(いやみ)に出来ているのが鼻についたものだが...
徳田秋声 「縮図」
...宵闇(よいやみ)が広がっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...いかにも稚気(ちき)を帯びた調子でかつ厭味(いやみ)らしく飾って書いてある...
永井荷風 「夏の町」
...紙屑買いは嫌味(いやみ)な笑い方をして...
中里介山 「大菩薩峠」
...忌味(いやみ)ったらしい薄笑いで...
中里介山 「大菩薩峠」
...いまお前の云ったような考え方が私への厭味(いやみ)ではなしに...
堀辰雄 「楡の家」
...人間の姿でもない父を父は波を立てて母を沈めた母は波に乗って父を浮かせたまぼろしの陰でわたしは生れた暗い海のみなそこで照る陽の青いうつくしいあいだはわたしはみどりの波間にすべり泳ぐひるまのうちはかなしい陸はわたしの眼にはいらないやみが波の上に来ればわたしは貝を持って陸に来る岩に腰かけてわたしはさびしい歌をうたうおおわたしがうたう狂わしい歌はなにあやしい暗いこころの歌はわたしは霊のない子...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「海豹」
...半年一年も過ぎて見たらんには嘔吐(おうと)を催すべきほどいやみなる句ぞ多き...
正岡子規 「俳諧大要」
...思わせぶりや厭味(いやみ)などで彼をうるさがらせた...
山本周五郎 「似而非物語」
...宵闇(よいやみ)のとっぷりと迫った頃...
吉川英治 「三国志」
...今夕の宵闇(よいやみ)にまぎれ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...松島田んぼの宵闇(よいやみ)がひろびろと戦(そよ)いでいた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...都会に宵暗(よいやみ)がせまって...
吉行エイスケ 「女百貨店」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??