...厭気(いやけ)のさしたのを自覚すると...
海野十三 「壊れたバリコン」
...そう思って俺はいやけもさしていたが...
高見順 「いやな感じ」
...少し厭気(いやけ)がさして来たというようなところに原因がありはせぬか? もしそのようだったら...
太宰治 「惜別」
...えらい我が儘云うみたいやけど...
谷崎潤一郎 「細雪」
...あんな手紙を貰ったために却って厭気(いやけ)がささないとも限らない...
谷崎潤一郎 「細雪」
...一遍に厭気(いやけ)がさすであろう...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...暗くじめじめした下町の臭いに厭気(いやけ)を催したものであったが...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...さらに嫌気(いやけ)を示さなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...慈善ということからどんなに多くの苦(にが)い味をなめさせられることでしょう! もしそれに嫌気(いやけ)を起こして無謀にも...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...敬虔(けいけん)な尊敬と肉体的な厭気(いやけ)とをいっしょに感じた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...女には嫌気(いやけ)がさしてきた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そう忌気(いやけ)がさしてみて...
中里介山 「大菩薩峠」
...また自然主義の道徳の弊が顕著になって人心がようやく厭気(いやけ)に襲(おそ)われるとまた浪漫主義の道徳が反動として起るのは当然の理であります...
夏目漱石 「文芸と道徳」
...およつの白粉焼(おしろいやけ)のした顔が...
野村胡堂 「芳年写生帖」
...死のうかさても侘しきあきらめかや真実友はなつかしけれど一人一人の心故……黍の葉の気ぜわしいやけなそぶりよ二十五の女心は一切を捨て走りたき思いなり片眼をつむり片眼をひらきああ術(すべ)もなし男も欲しや旅もなつかしああもしようと思いこうもしようと思う……おだまきの糸つれづれに二十五の呆然と生き果てし女は黍畑の畝に寝ころびいっそ深々と眠りたき思いなりああかくばかりせんもなき二十五の女心の迷いかな...
林芙美子 「新版 放浪記」
...「いやけっして裁判所はそういう確信を取除かれませんね...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...すっかり厭気(いやけ)がさしたと見えて...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...心(しん)から嫌氣(いやけ)が浸(さ)して了ツた...
三島霜川 「平民の娘」
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