...あちこちと一時間あまりも探しましたぜ!」二週間ほど前に海岸通りから少し高臺に移轉したために翁をまごつかせた譯です...
石川三四郎 「浪」
...私が引き返し初めた頃には長い/\その渚の彼方此方(あちこち)に黒い小さく見える人影がありました...
伊藤野枝 「白痴の母」
...あちこちをしきりに歩き廻るらしかった...
梅崎春生 「赤い駱駝」
...中村君がひとやすみしたら葛卷がこの十ヶ月(全集刊行中)にあちこちにだしてゐる電報や手紙を集めて「或狂人の手紙」といつたものを書いたらと思ふ...
小穴隆一 「二つの繪」
...帆はあちこちとばたばたし出していた...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...ハマスゲはあちこち飛びかわす食米鳥の重みでたわむ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...あちこち移ってあるいた一つの...
谷譲次 「踊る地平線」
...二私達を乗せて吉林のあちこちを見物させて呉れた馬車の馭者をしてゐた男も...
田山録弥 「一少女」
...あとからあとからあちこちのサイレンがうなり出す...
永井隆 「長崎の鐘」
...あちこちを物色しておりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...彼方此方(あちこち)に休ませ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あちこちの山々にこだまして...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...明け方ちかくなるまで吾々は敵軍をあちこちと引きまはして...
牧野信一 「船の中の鼠」
...いつの間にかわたしの部屋の壁には、いろいろな軍艦の写真が額になつて、あちこちに並び、本棚の上には「比叡」と「那智」の模型が飾られ、水雷型の筆立には巡洋艦「鈴谷」進水式紀念の軍艦旗とZ旗があつた...
牧野信一 「緑の軍港」
...あちこちに見える島の名を訊いたり...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...お置き棚(だな)などだけを体裁よくあちこちの隅(すみ)へ置いて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...あちこちにマントも着ないで凍えあがつたやうな人人が...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...上品な絹行燈(きぬあんどん)のともしびがあちこちにならんで...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
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