...蒼黒(あおぐろ)い両頬が桃の実のようにむっつりふくれた...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...蒼黒(あおぐろ)くでらでらした大きい油顔で...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...これは蒼黒(あおぐろ)く痩せこけていた...
太宰治 「美少女」
...碧黒(あおぐろ)く黛(すみ)を入れられてあった...
徳田秋声 「足迹」
...彼処(あすこ)に斯(こ)う少し湖水に出っぱった所に青黒(あおぐろ)いものが見えましょう――彼が唐崎(からさき)の松です」余は腰(こし)かけを離れて同行の姉妹(しまい)に指(ゆびさ)した...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...六十年前Louis(ルイ)-Philippe(フィリップ)王政時代の巴里の市民が狭苦しい都会の城壁を越えて郊外の森陰を散歩し青草(あおぐさ)の上で食事をする態(さま)をば滑稽なる誇張の筆致を以てその小説中に描いたのである...
永井荷風 「夏の町」
...永山の峰頭をあおぐ景色も秀逸で...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...蒼黒(あおぐろ)い水の色をあらわした前に...
夏目漱石 「それから」
...背が低く色が蒼黒(あおぐろ)く...
野村胡堂 「楽聖物語」
...みんなあおぐろい顔色をしていた...
林芙美子 「貸家探し」
...蒼黝(あおぐろ)い針葉樹の列が...
久生十蘭 「キャラコさん」
...しきりに手で顔をあおぐような真似をしている...
久生十蘭 「昆虫図」
...蒼黒(あおぐろ)く乾いた皺(しわ)だらけの皮膚の下に...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...焦茶色のようでもあり蒼黒(あおぐろ)いようでもある痩(や)せた顔や思わせぶりなちょび髭も...
山本周五郎 「陽気な客」
...空をあおぐと、オオ! それこそ、恵林寺(えりんじ)にいたころ、つねに餌(え)をやって愛していたクロではないか...
吉川英治 「神州天馬侠」
...身をおどらして大空をあおぐと...
吉川英治 「神州天馬侠」
...あおぐように手をふりながらおどりあがっている――と見るまに...
吉川英治 「神州天馬侠」
...後詰(ごづめ)の援兵(えんぺい)をあおぐが...
吉川英治 「神州天馬侠」
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