...世界中、大抵の所で扇子や団扇は、顔をあおぐか、目に影をするかに使われるが、日本にはそれ等の変種が非常に多いばかりでなく、実にいろいろなことに使用される...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...結局が百日鬘(ひゃくにちかずら)と青隈(あおぐま)の公卿悪(くげあく)の目を剥(む)く睨合(にらみあ)いの見得(みえ)で幕となったので...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...蒼黒(あおぐろ)い両頬が桃の実のようにむっつりふくれた...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...電扇の風であおぐという実験をやってみてもわかることである...
寺田寅彦 「函館の大火について」
...彼処(あすこ)に斯(こ)う少し湖水に出っぱった所に青黒(あおぐろ)いものが見えましょう――彼が唐崎(からさき)の松です」余は腰(こし)かけを離れて同行の姉妹(しまい)に指(ゆびさ)した...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...六十年前Louis(ルイ)-Philippe(フィリップ)王政時代の巴里の市民が狭苦しい都会の城壁を越えて郊外の森陰を散歩し青草(あおぐさ)の上で食事をする態(さま)をば滑稽なる誇張の筆致を以てその小説中に描いたのである...
永井荷風 「夏の町」
...そして煙にむせびながら炊事の火をあおぐ...
中谷宇吉郎 「日本のこころ」
...杉か檜(ひのき)か分からないが根元(ねもと)から頂(いただ)きまでことごとく蒼黒(あおぐろ)い中に...
夏目漱石 「草枕」
...古い梅の株の下に蘭(らん)の茂りが蒼黒(あおぐろ)い影を深く見せていた...
夏目漱石 「行人」
...土手の上の松が雨を含んで蒼黒(あおぐろ)く空に映った...
夏目漱石 「行人」
...色は蒼黒(あおぐろ)く貧しい灯(ひ)に照らされていた...
夏目漱石 「門」
...みんなあおぐろい顔色をしていた...
林芙美子 「貸家探し」
...蒼黝(あおぐろ)い針葉樹の列が...
久生十蘭 「キャラコさん」
...海は蒼黝(あおぐろ)くて見るから冷たそうだ...
宮沢賢治 「風野又三郎」
...空をあおぐと、オオ! それこそ、恵林寺(えりんじ)にいたころ、つねに餌(え)をやって愛していたクロではないか...
吉川英治 「神州天馬侠」
...忍剣(にんけん)が廂(ひさし)の上をふりあおぐと...
吉川英治 「神州天馬侠」
...あたりは碧黒(あおぐろ)い波間にみえ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...蒼黒(あおぐろ)い掌だけの指が...
蘭郁二郎 「鉄路」
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