...蒼黒(あおぐろ)い魚身を...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...電扇の風であおぐという実験をやってみてもわかることである...
寺田寅彦 「函館の大火について」
...「富士一つ埋(うづ)み残して青葉(あをば)かな」其青葉の青闇(あおぐら)い間々を...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...こゝでは深い青黝(あおぐろ)い色をなして...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...副級長」「死生命あり」小倉の男は腰から扇子をとって汗をあおぐ...
永井隆 「長崎の鐘」
...永山の峰頭をあおぐ景色も秀逸で...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...栗鼠の尾は蒼黒(あおぐろ)い地(じ)を払子(ほっす)のごとくに擦(す)って暗がりに入った...
夏目漱石 「永日小品」
...杉か檜(ひのき)か分からないが根元(ねもと)から頂(いただ)きまでことごとく蒼黒(あおぐろ)い中に...
夏目漱石 「草枕」
...土手の上の松が雨を含んで蒼黒(あおぐろ)く空に映った...
夏目漱石 「行人」
...その明かるい空を背負(しょ)ってる山だけが目立って蒼黒(あおぐろ)くなって来た...
夏目漱石 「坑夫」
...蒼黒(あおぐろ)い水の色をあらわした前に...
夏目漱石 「それから」
...黝(あおぐろ)くなった躑躅の葉にザブザブ水を撒いてやりながら...
林芙美子 「清貧の書」
...往来から見ても塀の上に蒼黒(あおぐろ)い樹木の茂りが家を隠していた...
水上滝太郎 「山の手の子」
...皮膚の色も蒼黒(あおぐろ)く...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...焦茶色にもなり蒼黒(あおぐろ)くもなる顔色の...
山本周五郎 「陽気な客」
...思い切って大きな嚔(くしゃみ)を一つしながら頭の上をふりあおぐと...
夢野久作 「死後の恋」
...空をあおぐと、オオ! それこそ、恵林寺(えりんじ)にいたころ、つねに餌(え)をやって愛していたクロではないか...
吉川英治 「神州天馬侠」
...蒼黒(あおぐろ)い掌だけの指が...
蘭郁二郎 「鉄路」
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