...なぜ何時(いつ)までもそんなことを云うのだ」父親の左の眼が青く鬼魅(きみ)悪く見えた...
田中貢太郎 「藍瓶」
...暑い陽(ひ)を吸うていた磧(かわら)の沙(すな)は鬼魅(きみ)悪くほかほかしていた...
田中貢太郎 「赤い土の壺」
...由平は鬼魅(きみ)がわるかったが...
田中貢太郎 「阿芳の怨霊」
...姪は鬼魅(きみ)悪くなって寄宿舎を逃げ出そうと思ったが...
田中貢太郎 「阿芳の怨霊」
...丹治は鬼魅(きみ)悪くなって来た...
田中貢太郎 「怪人の眼」
...そのぼうとした光の中には鬼魅(きみ)の悪い毒どくしい物の影が射(さ)していた...
田中貢太郎 「蟇の血」
...お滝は鬼魅(きみ)が悪くなって来た...
田中貢太郎 「狐の手帳」
...死人が鬼魅の悪いうえに...
田中貢太郎 「死人の手」
...洋燈は火屋(ほや)の一方が黒く鬼魅(きみ)わるく煤(すす)けていた...
田中貢太郎 「春心」
...山西はそれがうす鬼魅(きみ)悪かった...
田中貢太郎 「水魔」
...こんなに蚊がいるのに」宅悦はお岩の鬼魅(きみ)のわるい顔を避けながらもじもじしていた...
田中貢太郎 「南北の東海道四谷怪談」
...鬼魅(きみ)が悪いじゃないの」「だからよ...
田中貢太郎 「偶人物語」
...却(かえ)って無鬼魅(ぶきみ)に思えたくらいでした...
田中貢太郎 「母の変死」
...T機関士はうす鬼魅(きみ)が悪かったが...
田中貢太郎 「飛行機に乗る怪しい紳士」
...また壮(わか)い女があまり慣れなれしくするのもうす鬼魅(きみ)がわるいので躊躇(ちゅうちょ)した...
田中貢太郎 「港の妖婦」
...ほんとに鬼魅(きみ)のわるい話だよおまえ...
田中貢太郎 「雪女」
...竹間(ちくかん)の梅棕(ばいそう)森然(しんぜん)として鬼魅(きび)の離立笑(りりつしょうひん)の状(じょう)のごとし...
夏目漱石 「草枕」
...――と申しましても私自身その行動に就いては或る鬼魅(きみ)の悪い疑問を持っているのでありますが...
西尾正 「陳情書」
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