...それから岸に臨んでいる...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...そして自分の脚下にうづ卷く底も知れない深淵に臨んでると云ふ意識が...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...水に臨んで朱塗の欄干も見えていた...
田中貢太郎 「荷花公主」
...川に臨んで白堊造(しらかべづくり)の土蔵の見える処に来たのは...
田山花袋 「朝」
...丁度今日の文化情勢がそういう時に臨んでいるわけで...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...別な興味で臨んでいったろうと思います...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...法律に問わるる者に対してはまったく法律と同じ精神で臨んでいた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...自分のやうに十年實際に臨んで居るものゝ眼からは徹底しない處があつた...
長塚節 「教師」
...欄干の腰には大きな三階松(さんがいまつ)が三寸の厚さを透(す)かして水に臨んでいる...
夏目漱石 「虞美人草」
...その機に臨んで、不要な気遣いをするかしないか、それこそ戦の勝ち負けの分かれ目、一国存亡興廃の分かれ目と知るがよい...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...それらに臨んでさえ下されば...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...酒を酌み、月を賞し、未来を語りなどして、夜を更(ふ)かし、やがて船と船とに別れ乗ったが、相去るに臨んで、おさらばと、波間に顧み合って手を振ったとき、官兵衛は生れて初めて涙を頬に味わった...
吉川英治 「黒田如水」
...いまや中原(ちゅうげん)に臨んで...
吉川英治 「三国志」
...ここ江南に臨んで強大の呉を一挙に粉砕せんとし...
吉川英治 「三国志」
...一殿(いちでん)へ召しおかれていた諸公卿の議席へ臨んで行かれた...
吉川英治 「私本太平記」
...もちろん施主(せしゅ)の尊氏もこれに臨んでいたことはいうまでもあるまい...
吉川英治 「私本太平記」
...――当時すでに上将として臨んでいた柴田勝家と...
吉川英治 「新書太閤記」
...あれがそうだ」崖へ臨んで駈け降りていたお通は...
吉川英治 「宮本武蔵」
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