...室(へや)は十畳(じょう)許(ばか)りの青畳(あおだたみ)を敷(し)きつめた日本間(にほんま)でございましたが...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...衝(つ)と立つ時、遠浅の青畳、真中とも思うのに、錦の帯の結目が颯(さっ)と落ちて、夢のような秋草に、濡れた銀(ぎん)の、蒼い露が、雫のように散ったんです...
泉鏡花 「浮舟」
...青畳の上には、池のように真赤なものが流れていた...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...青畳(あおだたみ)を敷いた広い座敷に坐っていたから...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...まだ敷いてから間もないと思はれる銀べりの青畳がその光に反射して...
太宰治 「地図」
...内は広い青畳を敷いた室で...
田中貢太郎 「人面瘡物語」
...」と菊太郎は砂でざらざらする青畳の上を...
徳田秋声 「足迹」
...取替へたばかりの青畳を台なしにして了つたんで...
徳田秋聲 「歯痛」
...さすが青畳を敷いたように静かで...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...「ここです」と藤尾は、軽く諸膝(もろひざ)を斜(なな)めに立てて、青畳の上に、八反(はったん)の座布団(ざぶとん)をさらりと滑(す)べらせる...
夏目漱石 「虞美人草」
...小野さんは軽く踏む青畳に...
夏目漱石 「虞美人草」
...青畳の廊下を踏んで...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...青畳をぼかして、真珠色の絹あんどん、白りんずの吊夜具、将軍家の寝所にはちがいないのですが、ふとんの中はもぬけのからで、めざす相手の家光は影も形もなかったのです...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...部屋部屋の青畳の清々(すがすが)しさ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...花の裾を青畳に引きずる女たちの相場を狂わした男である...
長谷川伸 「奇術考案業」
...本陣内の青畳の上に坐ると...
吉川英治 「新書太閤記」
...青畳の香がぷーんと高い...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...恰度(ちょうど)青畳の上に撒(ま)かれた胡麻粒(ごまつぶ)のように見えた...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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