...裾の捌(さば)きが青畳に紅の波を打つて...
石川啄木 「菊池君」
...衝(つ)と立つ時、遠浅の青畳、真中とも思うのに、錦の帯の結目が颯(さっ)と落ちて、夢のような秋草に、濡れた銀(ぎん)の、蒼い露が、雫のように散ったんです...
泉鏡花 「浮舟」
...海を青畳(あおだたみ)にして二人で半日...
泉鏡花 「歌行燈」
...青畳(あおだたみ)を敷いたような遥かな下界の美しさに酔っている間もなく...
海野十三 「地球盗難」
...青畳の上には、池のように真赤なものが流れていた...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...青畳(あおだたみ)と格子天井(こうしてんじょう)が遙か向うの方まで続いている様な光景が...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...まだ敷いてから間もないと思はれる銀べりの青畳がその光に反射して...
太宰治 「地図」
...内は広い青畳を敷いた室で...
田中貢太郎 「人面瘡物語」
...日に輝く太平洋が青畳(あおだたみ)のように凪(な)いでいるのを見るのは...
田中英光 「オリンポスの果実」
...」と菊太郎は砂でざらざらする青畳の上を...
徳田秋声 「足迹」
...入れ替えたばかりの藺(い)の匂いのする青畳に敷かれてあった...
徳田秋声 「爛」
...さすが青畳を敷いたように静かで...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...小野さんは軽く踏む青畳に...
夏目漱石 「虞美人草」
...青畳をぼかして、真珠色の絹あんどん、白りんずの吊夜具、将軍家の寝所にはちがいないのですが、ふとんの中はもぬけのからで、めざす相手の家光は影も形もなかったのです...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...部屋部屋の青畳の清々(すがすが)しさ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...花の裾を青畳に引きずる女たちの相場を狂わした男である...
長谷川伸 「奇術考案業」
...青畳の香がぷーんと高い...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...二百数十枚の青畳が...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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