...「いや」と小さく退けるようにいう愛子の声が確かに聞こえた...
有島武郎 「或る女」
...私は男子の本然の要求が多く伴つてゐると云ふ主張は退ける事が出来ません...
伊藤野枝 「青山菊栄様へ」
...その葬式に際して『世間から馬鹿が一人減つたのだ』と平気で云つて退ける彼が...
伊藤野枝 「サニンの態度」
...さぶちゃんやその手下のものを払い退けるようにして再び渡り出した...
犬田卯 「橋の上」
...我輩の有する味方は少数であるが……老人が出てもこれを退けるという力もない...
大隈重信 「政治趣味の涵養」
...無慘の刄(やいば)或者のうしろを見せて退ける露出の背(せな)を傷けつ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...私が彼をこういうふうに退けるのは...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...凶霊を退ける信仰に由来していることは明白である...
中山太郎 「獅子舞雑考」
...それを押し退けると...
夏目漱石 「それから」
...板石を退けると、真黒な間隙が現れました...
西尾正 「墓場」
...片手拜みに小道具物の屏風を押し退けると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...八五郎はヌケヌケと言つて退けるほどの膽力がありました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大人三人前を一手に引うけて鼻唄交り遣つて退ける腕を見るもの...
樋口一葉 「わかれ道」
...それを言って退けると...
久生十蘭 「湖畔」
...百合子はそんな話は退ける口調で...
牧野信一 「まぼろし」
...退けるようにさえ見えます...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...この若い男に違いありません」「よし」李は、そういって、丁峰を退けると、馬元義と共に、いきなり劉備の両手を左右からねじあげた...
吉川英治 「三国志」
...もうよいからお休み」その男を退けると...
吉川英治 「宮本武蔵」
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