...鼻は熱湯に蒸(む)されて...
芥川龍之介 「鼻」
...恵深い日の光に照らされて水蒸気の濛々(もうもう)と立上る様を待ち遠しげに眺めやった...
有島武郎 「カインの末裔」
...例えば大木の根を一気に抜き取る蒸気抜根機が...
有島武郎 「北海道に就いての印象」
...開放(あけはな)した室が刻々に蒸熱くなつた...
石川啄木 「鳥影」
...また停車場を離れる蒸気の音が起る...
犬養健 「愚かな父」
...樺太西海岸の某漁場にたツた一個ある引き上げ蒸氣機械(所有主は今北海道の福島に歸つてゐる)を...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...岩屋からポンポン蒸汽で明石へ渡り...
竹内勝太郎 「淡路人形座訪問」
...この模樣なら明日もまた雨であらうとおもつてゐて翌朝起きてみると陰晴定めない高い山の上は相模灘の方から朦々として湧き上つて來る白い水蒸氣に峯も溪も人家も埋つてしまひ...
近松秋江 「箱根の山々」
...午後温暖蒸すが如し...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...程(ほど)よく蒸(む)した其(その)ふかしを與吉(よきち)は甘相(うまさう)にたべた...
長塚節 「土」
...気温や水蒸気の量が...
中谷宇吉郎 「黒い月の世界」
...一立方米の空気中に現に含んでいる水蒸気の分量と...
中谷宇吉郎 「雪」
...蒸溜人(こして)が言つた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...夫人のきんさんと二人で蒸気河岸に住み...
山本周五郎 「青べか物語」
...彼は一人セーヌ河の一銭蒸気に乗って河を下って見た...
横光利一 「旅愁」
...その立ち話によると、そこの妾宅へ、明け方、誰かが寝込みを襲ったらしく、伊藤痴遊が寝衣姿のまま裸足で逃げたのを見たと、その騒ぎを、蒸し返し、みんなでしているのであった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...ここでは坑口のような目に見える蒸気はなかったが...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...施浴が蒸し風呂であるとすると...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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