...濁つた大川を上り下りの川蒸気...
石川啄木 「鳥影」
...この頃には既(すで)にこの蒸気機関を利用した汽船や汽車もつくられて世を驚かしていたので...
石原純 「ジェームズ・ワット」
...かうして眼に見えなくなつて一種の気体のやうになつた水の事を、水蒸気と云ふ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...梵鐘の響きが蒸されるような...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...もう肝心の事実はほとんど蒸発してしまって...
寺田寅彦 「錯覚数題」
...一時間半後にはもうあまり水蒸気を含まない硫煙のようなものを噴出しているという事実が自分にはひどく不思議に思われた...
寺田寅彦 「小爆発二件」
...おまけに小さな部屋は竈のように蒸し暑かった...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「曲れる者」
...「松茸の土瓶蒸を食わんがために生きている...
中里介山 「大菩薩峠」
...皆蒸発してしまう...
中谷宇吉郎 「ウィネッカの冬」
...色々水蒸気の供給度を変えて見たが...
中谷宇吉郎 「雪」
...川蒸汽だけは昔のまゝであるらしい...
牧野信一 「川蒸気は昔のまゝ」
...この地下茎(ちかけい)を蒸(む)せば食用にするに足(た)るとのこと...
牧野富太郎 「植物知識」
...これは何という餅です」妻君「それは葛入餅(くずいりもち)と申して葛の粉少々と糯米(もちごめ)と一所に蒸して充分に搗(つ)き抜(ぬい)たのです」客「道理で絹漉餅(きぬこしもち)ともいうべき位です...
村井弦斎 「食道楽」
...いつも下向時のやうに賑やかで混んで門松の匂ひがして……そして例の鮭や鱈の子やハイカラが蒸しかへるのである...
室生犀星 「星より來れる者」
...黄昏和歌山蒸汽明光丸へ乗組...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...蒸した白米を釜(かま)からつかみ出して...
柳田国男 「木綿以前の事」
...水蒸氣の立つ加減でもあらうか...
吉江喬松 「山岳美觀」
...浴槽はやはり蒸し風呂で...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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