...腰抜け漢(め)!」「何?」気色立(けしきだ)つ双方の勢いに酔(え)いもいくらかさめし山木はたまり兼ねて二人(ふたり)が間に分け入り「若旦那も...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...腰抜け彌八なんかを屁(へ)とも思わないから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「腰抜け彌八の手紙が一本も無いじゃないか」八五郎は内儀のお余野を振り返りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――私は腰抜けで意気地なしで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...魔法ビンは、つまらない名をもっているわね、マホーの瓶なら、こんなにさがしてこんなに気をもんでいるぐみ頭の細君のために、手叩き三つ位で、一つはどこからか出て来たらいいじゃあないの、腰抜けねえ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...自分の中に生きたものとしての色と恋と性慾を持っている腰抜けでない人間にとっては...
三好十郎 「恐怖の季節」
...腰抜けというか――薄田 だからねえ...
三好十郎 「猿の図」
...江戸の人間が腰抜けでないという証拠をみせ...
山本周五郎 「いさましい話」
...「よせばよかった」彼はつむっていた眼をあきながら呟き、太息(といき)をついた、「――あんなことをしてなんになる、腰抜けの、あんな虫けらみたようなやつ、唾でも吐きかけてやれば済んだことじゃないか」暗い海のかなたに、夜釣りをする舟の灯が水に映って見えた...
山本周五郎 「さぶ」
...恐支病と恐露病に陥っている日本の腰抜け政府を激励し...
夢野久作 「近世快人伝」
...「あの腰抜けの源次に何が出来ようかい」と云わぬ半分の大ザッパな調子でタカを括(くく)っているらしかった...
夢野久作 「斜坑」
...恥知らずの腰抜け面を見てやれ...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...武士に珍らしい腰抜けじゃと...
吉川英治 「剣難女難」
...福知山の人々の悲憤を晴らしておやりにならぬのです! それが腰抜け武士...
吉川英治 「剣難女難」
...山陰無類の腰抜け者と言われた新九郎が...
吉川英治 「剣難女難」
...腰抜け都督の手下どもでは」曝(さら)し物のを打ち振り...
吉川英治 「三国志」
...左様な腰抜けことばが吐(ほ)ざけたものだ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...見損(みそこ)なったの、腰抜けだのって、門を振(ふ)り顧(かえ)って、悪口を叩いて行ったよ」「はははは...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索