...そして燃残りの太い幹で、一間置きまたは二間置き位いに柵(さく)を造って土留として、六、七十度の傾斜地を、五十度なり四十度なりに僅かずつ平にして、蕎麦(そば)、粟、稗(ひえ)、豆の類を作るので、麦などはとても出来ぬ...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...粟が……稗(ひえ)が……黍(きび)が……挽いた蕎麦粉(そばこ)が……饂飩粉(うどんこ)が……まだ大分あるが...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...遅桜もまだ散り尽さぬ頃から聞えはじめる苗売の声の如き、人はまだ袷をもぬがぬ中早くも秋を知らせる虫売の如き、其他風鈴売、葱売、稗蒔売、朝顔売の如き、いずれか俳諧中の景物にあらざるはない...
永井荷風 「巷の声」
...その時のことです、相模の国の二宮金次郎という先生が、その年の季候をたいそう心配しておいでなさいましたが、土用にさしかかると、もう空の気色がなんとなく秋めいて来て、草木に当る風あたりが、気味の悪いほどヒヤヒヤしていましたが、ある時新茄子(しんなす)をよそから持って来てくれたものですから、その茄子を糠味噌(ぬかみそ)へつけさせて食べてみますと、どうしても秋茄子の味でございますから、これは只事ではねえぞ、さあ村の人たちよ、饑饉年が来るから用心しなさいと言って、その晩、夜どおし触書(ふれがき)をつくって諸方へ廻して、皆の者に勧めることには、明地(あきち)や空地(くうち)は勿論のこと、木棉(わた)を植えた畑をつぶしてもいいから、作(さく)をつくりなさい、蕎麦(そば)、大根、蕪菁(かぶら)、にんじんなどをたくさんお作りなさい、粟(あわ)、稗(ひえ)、大豆などは勿論のこと、すべて食料になるものは念を入れてお作りなさいとすすめ、御自分では、穀物の売物があると聞くと、なんでもかまわず、ドシドシ買入れ、お金が尽きた時は、貸金の証文までも抵当に入れてお金を借入れ、それで穀物を買い、人にもそのようにおすすめになりましたが、なにをそんなに二宮様がおあわてなさる、と本気にしなかったものもあるでございましたが、先生を信仰する人は、おっしゃる通りにやって、大助かりに助かったそうでございます...
中里介山 「大菩薩峠」
...山陵のめぐりは畑で豆や稗や粟が作つてある...
長塚節 「松蟲草」
...『枯葉』などという、しゃれたシャンソンも知らないわけではないけれど、稗搗節のほうが、今日の気分にピッタリする...
久生十蘭 「あなたも私も」
...同日富人も稗を夢み病死した(『還冤記』)...
南方熊楠 「十二支考」
...稗は黒い穂を出しました...
宮沢賢治 「狼森と笊森、盗森」
...大きいところで稗(ひえ)のつぶ...
宮沢賢治 「蜘蛛となめくじと狸」
...稗(ひえ)を蒔(ま)く男...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...天龍川を越えて三河の北設樂郡でも、稗、麥共に皮をとつて精げることをヨネスルと謂ふ...
柳田國男 「食料名彙」
...稗や粟を以て鹽を買ふところもあつた(鹽俗問答集)...
柳田國男 「食料名彙」
...昆布を細かく刻んで米粟稗などゝ共に飯に炊いて食べた...
柳田國男 「食料名彙」
...稗粉するときゃ嘗(な)め嘗め摺るがメカス摺るときゃならが出るというのがある...
柳田國男 「食料名彙」
...現在山間で麦搗(むぎつ)き稗(ひえ)はたきに利用し...
柳田国男 「年中行事覚書」
...一度に多く搗(つ)いて始めから粟(あわ)・稗(ひえ)の定量をまぜておき...
柳田国男 「木綿以前の事」
...稗田阿礼が天朝の命を拝して...
柳田国男 「雪国の春」
...九州で稗搗節といふ歌を聞いたのです...
吉川英治 「折々の記」
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