...かたがた保吉は前のような無技巧に話を終ることにした...
芥川龍之介 「少年」
...その時の気分気分で勝手な無技巧な事をしていながらも...
有島武郎 「或る女」
...津田君は先達て催した作画展覧会の目録の序で自白しているように「技巧一点張主義を廃し新なる眼を開いて自然を見直し無技巧無細工の自然描写に還り」たいという考えをもっている人である...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...原始的無技巧という点では野蛮人の絵や子供の絵は最も代表的のものであろう...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...その引き方のいかにも無技巧で...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...この無技巧の正直は...
野村胡堂 「胡堂百話」
...無技巧な野蛮な感じを窺える...
野村胡堂 「最近の犯罪の傾向に就て」
...無造作で無技巧で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...なんという無技巧なことでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「お紋を怨む者の心當りはないのかな」平次の問ひは平凡で無技巧でさへありました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...婦人の答はまた平凡で無技巧で...
野村胡堂 「法悦クラブ」
...無技巧の自然的單一に歸するのである...
萩原朔太郎 「氷島」
...指の先は思はずブル/\と無技巧的に震え...
牧野信一 「熱海線私語」
...この馬車の無技巧的に素晴しい速力に恍惚として...
牧野信一 「山を越えて」
...ただ、彼は自分がもっと上を使うと信じていたので、無技巧にちかい、かれらの刀法が、無技巧のままに強い点で驚いたのである...
山本周五郎 「花も刀も」
...それでもマダムの無技巧の技巧に対しては...
夢野久作 「奥様探偵術」
...しかしこれは先生の歌が無技巧だなどということではない...
和辻哲郎 「歌集『涌井』を読む」
...無技巧のおもしろさを現わしているともいえる...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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