...堂々とした豪奢の趣致と楚々とした優麗の風格とを併せ有してゐるものであつた...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...楚々(そそ)とした感じは一点の難もないまでによく調和したものになっている...
上村松園 「中支遊記」
...楚々(そそ)たる蓮歩を運びたもう様子...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...蓮歩楚々として進み寄ってきた年のころ卅二三の専太郎好みの乙な美人...
久生十蘭 「魔都」
...楚々(そそ)と起き直っている彼女を一目見て...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...結婚するまえはしとやかに楚々(そそ)としていて...
山本周五郎 「末っ子」
...客を再拝して、楚々(そそ)と、良人のかたわらに戻った...
吉川英治 「三国志」
...雪のような素絹(そけん)をまとった美人が楚々と入ってきて...
吉川英治 「三国志」
...楚々と立ち去りかけた...
吉川英治 「三国志」
...目をさますとすぐ楚々(そそ)と薬湯(やくとう)をささげて来てやさしく気分を問うてくれた一女性がある...
吉川英治 「私本太平記」
...――と、そのうちに施主(せしゅ)の巧雲が、楚々(そそ)と、前へすすんで香(こう)を拈(ねん)じる...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ま、水滸(みずのほと)りの蛙も同然さ」そこへ、楚々(そそ)と、盧俊儀(ろしゅんぎ)の妻の賈氏(こし)が、屏風(びょうぶ)を巡ってあらわれた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...やがて楚々(そそ)と歩んで...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...退(さ)がって来る美人――何かを捧げ持って――燈影(とうえい)の下を楚々(そそ)と通う女性たちの色やにおいにそれが濃い...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...やがて、土肥家の側が、ずらりと、坐り終わったところで、花嫁は、つのかくしを、俯向(うつむ)けて、庄次郎のそばへ、楚々(そそ)と、手を曳かれてきた...
吉川英治 「松のや露八」
...松の位の裳(すそ)を楚々(そそ)と曳き...
吉川英治 「宮本武蔵」
...美しい小間使が、楚々(そそ)と、彼の前に、菓子、茶、煙草などのもてなしを供え、無言のまま退(さ)がって行った...
吉川英治 「宮本武蔵」
...楚々として濁りのない滑らかな胸の美しさは...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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