...遠くの建物が蜃気楼のようにゆがんで見える...
...彼女の言葉は蜃気楼のようなもので、信じてはいけない...
...砂漠で遭難した旅行者が蜃気楼に惑わされた...
...彼の夢は蜃気楼のように消えていった...
...長い間追い求めた幸福は、蜃気楼のように何度も失われた...
...君も一しょに行かないか?」「蜃気楼か? ――」O君は急に笑い出した...
芥川龍之介 「蜃気楼」
...「どうもこの頃は蜃気楼ばやりだな...
芥川龍之介 「蜃気楼」
...「あれを蜃気楼(しんきろう)と云うんですかね?」K君は顋(あご)を砂だらけにしたなり...
芥川龍之介 「蜃気楼」
...腹の減ったときに蜃気楼(しんきろう)を見るようなもので...
海野十三 「蠅」
...蜃気楼とは、乳色(ちちいろ)のフィルムの表面に墨汁(ぼくじゅう)をたらして、それが自然にジワジワとにじんで行くのを、途方(とほう)もなく巨大な映画にして、大空に映し出した様なものであった...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...この距離の曖昧さが、蜃気楼に、想像以上の不気味な気違いめいた感じを与えるのだ...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...蜃気楼(しんきろう)に欺されたりして...
寺田寅彦 「レーリー卿(Lord Rayleigh)」
...言はば山間都市に対する蜃気楼的な幻想――にある...
萩原朔太郎 「石段上りの街」
...神戸の街が蜃気楼のように霞み出すと...
牧逸馬 「上海された男」
...恰も陽炎の中に浮ぶ蜃気楼のやうに不思議なる美しさをもつて眺められるのであつた...
牧野信一 「或るハイカーの記」
...邦俗専ら蜃をこの第二義に解し蛤が夢を見るような画を蜃気楼すなわち竜宮と見るが普通だ...
南方熊楠 「十二支考」
...また能く幻術(てじな)を以て空中に乾闥婆城(蜃気楼)を現ず...
南方熊楠 「十二支考」
...あの蜃気楼(しんきろう)といふものとよく似てゐるの...
宮原晃一郎 「子良の昇天」
...其論文の構造は如何にも華麗にして恰(あたか)も蜃気楼(しんきろう)の如くなれども堅硬なる思想の上に立たざるが故に...
山路愛山 「明治文学史」
...一種の蜃気楼(しんきろう)に似た現象を起こす...
山本周五郎 「青べか物語」
...「ワハハハハハハハハハハ……お伽話(フェヤリー・ストーリース)だ……地底の蜃気楼(ミラージ・イン・ザ・アース)……アッハッハッフッフッフッ……アスタ・セガンチニ……あの近眼婆さん……オースタリ人の志村のぶ子……アハハハハ...
夢野久作 「暗黒公使」
...これは悍ましく不吉な蜃気楼で見たそのままではないか...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...現実的なしかしそれと判らぬ蜃気楼だったのかも知れない...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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