...健康を恢復すると云う秘法を教えてやったそうである...
芥川龍之介 「さまよえる猶太人」
...さうして俺の心は徐々として――眞に徐々としてその「張り」を恢復する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...秋になつて凉しくなれば直ぐ恢復するさ...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...決心が定まれば元気も恢復(かいふく)してくる...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...井戸だから瓦(かわら)や土砂で埋められても旧容を恢復(かいふく)するのは容易である...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...棺の中に居るうち段々恢復してきた...
海野十三 「仲々死なぬ彼奴」
...夫人は間もなく意識を恢復(かいふく)して...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...醫者もいふ通り是非當分保養しないと迚(とて)もお前の體は恢復はしない...
高濱虚子 「續俳諧師」
...松葉杖(まつばづえ)を衝(つ)いて歩く恢復(かいふく)後の姿を想像したりもしたことであったが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...自分の家の没落をも何うかして恢復(くわいふく)したいと思つた事もあつたらしい...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...併し全身の疲労と不安とは恢復しない...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...ちょっともはかばかしく恢復しない...
中谷宇吉郎 「ジストマ退治の話」
...恢復(くわいふく)する模様もない...
林芙美子 「浮雲」
...……いわゆる、……天網恢々、さ」乾はなにかしばらく考えこんでいたが、やがて、勢いこんで、「しかし、こんな風にも考えられるねえ...
久生十蘭 「金狼」
...腸の病気のとき恢復しかかって初めて会って下すった時の...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...予期もせぬ夢のような人が現われたものであるというように尼君は恢復期の浮舟を喜んで...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...少し為(す)ると一時は存外精神を恢復させるものである...
森鴎外 「金貨」
...傷の手当が済んで元気を恢復した大型トラックの運転手...
夢野久作 「衝突心理」
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