...畜生!」勃凸は大童とでもいふやうな前はだけな取り乱した姿で...
有島武郎 「骨」
...池の周囲(まわり)はおどろおどろと蘆の葉が大童(おおわらわ)で...
泉鏡花 「海の使者」
...汗だくだくの大童(おおわらわ)となって...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...落ちるところを注意していろ!」鍛冶屋の大将は大童(おおわらわ)で防護団を指揮していた...
海野十三 「空襲警報」
...地上の信号灯の前に一つの人影が大童(おおわらわ)になって綱を解こうとしているのを認めた...
海野十三 「空中漂流一週間」
...大童で働いているそうです」「アメリカ人は...
海野十三 「第五氷河期」
...ここでは大童(おおわらわ)で...
太宰治 「女の決闘」
...大童(おおわらわ)で...
中里介山 「大菩薩峠」
...陸揚げすべき資材の整理に大童(おおわらわ)となっている...
中里介山 「大菩薩峠」
...するてえと日出づる国の大童らが...
中原中也 「散歩生活」
...おおかた流汗淋漓(りゅうかんりんり)大童(おおわらわ)となって自転車と奮闘しつつある健気(けなげ)な様子に見とれているのだろう...
夏目漱石 「自転車日記」
...ソコで私がこの藩主に向(むかっ)て大に談じられる由縁(ゆかり)のあると云(い)うのは、その藩主と云う者は伊達(だて)家の分家宇和島(うわじま)藩から養子に来た人で、前年養子になると云うその時に、私が与(あずかっ)て大(おおい)に力がある、と云うのは当時大童(おおわら)が江戸屋敷の留守居(るすい)で世間の交際が広いと云うので、養子選択の事を一人で担任して居て、或時(あるとき)私に談じて、「お前さんの処(奥平(おくだいら)家)の殿様は宇和島から来て居る、その兄さんが国(宇和島)に居る、その人の強弱智愚如何(いかん)を聞(きい)て貰(もら)いたいと云うから、早速取調べて返事をして、先(ま)ず大童の胸に落ちて、今度は宇和島家の方に相談をして貰いたいと云うので、夫(そ)れから又私は麻布(あざぶ)竜土(りゅうど)の宇和島の屋敷に行(いっ)て、家老の桜田大炊(さくらだおおい)と云う人に面会してその話をすると、一も二もなく、本家の養子になろうと云うのだから唯(ただ)難有(ありがた)いとの即答、一切(いっさい)大童と私と二人で周旋して、夫(そ)れから表向きになって貰(もらっ)たその人が、その時の藩主になって居るので、ソコで私がその藩主に遇(あ)うて、時に尊藩の大童、松倉(まつくら)の両人が、この間仙台から逃げて参(まいっ)たのは、彼方(あっち)に居れば殺されるから此方(こっち)に飛出して来たのであるが、彼(あ)の両人は今でも見付け出せば藩主に於(おい)て本当に殺す気があるのか、但(ただ)し殺したくないのか、ソレを承(うけたまわ)りたい...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...是(こ)れは私の為(た)めには大童信太夫(おおわらしんだゆう)よりか余程(よほど)骨の折れた仕事でした...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...毎日の三宅周太郎、大童の絶讃...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...彼女の方は大童なのだが...
牧野信一 「サロメと体操」
...御機嫌をとったりに大童(おおわらわ)です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...大童(おおわらわ)な男の影...
吉川英治 「江戸三国志」
...導師の僧正は長者ノ輿(こし)に乗り、力者十二人がかつぎ、大童子、そば侍四人、仕丁(しちょう)らがつき添い、法橋(ほっきょう)以下の僧官やら一隊の侍やら、仲間(ちゅうげん)、随聞(ずいもん)、稚子(ちご)まで目をうばうばかり華麗な列だった...
吉川英治 「私本太平記」
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