...無我夢中に高這(たかば)いをして...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...勇める駒の嘶(いなな)くと思へば夢はふと覚めぬ...
石川啄木 「雲は天才である」
...あの侯爵夫人がジャングルの中かどこかであのコンパクトを出して皺(しわ)だらけの顔を何とかして綺麗にしようと、夢中になって、鼻のあたまをポンポンと叩いている...
海野十三 「時限爆弾奇譚」
...夢のやうな心持で宵に聞いた女の話を浮べてゐた...
田中貢太郎 「青い紐」
...永年住んでいて、いいところか、悪いところか、わからないくらいのところは、本当にいいところにきまっていますねえ」「そんなものかも知れませんが、まあいいところとしておきましょう」「実はねえ、お爺(じい)さん、わたしもその白川郷というところへ行って、一生を暮らしてしまいたいと思っているのよ」「そうですか」「平家の公達(きんだち)も、そこに落ちて、居ついているくらいですから、わたしなんぞも、住めないはずはないと思います」「それは住めば都と申しましてな、お天道様の照らすところ、草木の生えるところで、人間が住んで住めないという土地はございませんけれど、お嬢さん、買いかぶってはいけませんよ、平家の公達だって、白川郷が住みよいからそこへ来たわけではありません、それは花の都に栄耀(えいよう)栄華を極めているに越したことはございますまいけれど、居るには居られず、住むには住まわれないから、よんどころなく、こんな山奥の奥へ落ちて来たものでしょう、それを夢の里か、絵の国でもあるように、憧(あこが)れて、わざわざ住みにおいでなさろうなんぞというのは、お若いというものです...
中里介山 「大菩薩峠」
...まだ夢から醒(さ)めきれません...
中里介山 「大菩薩峠」
...若々(わか/\)しいひとみを夢見(ゆめみ)るやうに見張(みは)りながら...
南部修太郎 「夢」
...一と頃はお孃さんに夢中になつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...嘆きをこえ、夢をとだえ、ひたぶるにくひさがる菊の花のにほひ...
原民喜 「小さな庭」
...それから夢を見て...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...屡々母とふたりで旅をする夢を見た...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...それをまあ僕は余つ程夢中になつてゐた証拠には...
牧野信一 「ベツコウ蜂」
...始めて君を見し時の事を今より考ふれば殆ど夢の如き感ありて...
正岡子規 「墨汁一滴」
...本人達は夢にも知らない影響があつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...仙千代の夢にかよったのではないだろうか...
山本周五郎 「日本婦道記」
...兵部にとって夢と希望そのものであった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...性欲の夢トルストイがゴルキーに君はどんな恐ろしい夢を見たかと質問した...
横光利一 「夢もろもろ」
...夢心地で彼と並んで歩いて行きたいと思つてゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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