...「上官の命令は絶対的なものでしょう」「原則としてはそうですがね――」加納は奥歯を噛みしめるようにして...
梅崎春生 「狂い凧」
...唇を噛みしめる軍人たちが...
海野十三 「空襲葬送曲」
...一箸ごとに噛みしめるようにしてそれを味った...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...「親の恩歯がぬけてから噛みしめる」で...
高神覚昇 「般若心経講義」
...・冬夜さめてはおもひでの香煎をすゝりますお粥のあたゝかさ味の素の一さじ二さじ・噛みしめる味はひも抜けさうな歯で・更けてひそかに竹の葉の鳴る十二月十五日晴...
種田山頭火 「其中日記」
...こごめ餅こんがりふくれた戯作一首世の中に餅ほどうまいものはないすいもあまいも噛みしめる味一月廿五日霜晴れ...
種田山頭火 「其中日記」
...むろん噛みしめることは出来ないからほんたうには味へない...
種田山頭火 「其中日記」
...彼女は噛みしめるように頷いている...
豊島与志雄 「或る作家の厄日」
...「一片召上ってごらんなさいませ、とても若い肉のように肥え太ってあぶらみはございませんが、噛みしめると、少しは味も出て参ります、一ついかが」と言って、釜の中へまたも大串を突込んで、一片の肉をつつき出して竜之助の手に持たせつつ、自分はほかの串へさしては食い、食ってはさし、その貪(むさぼ)り食うこと、全く餓鬼そのものの形相であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...あんまり口惜(くや)しかったんですもの」お留は我慢のならない忿怒(ふんぬ)を噛みしめるように...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...この煎薬の一番無気味な――ともいえぬことのないほろにがさを噛みしめるたび自分は...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...血の出るまでに噛みしめるようにしながら...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「ぼくがマリを殺した」すると沈痛に奥歯を噛みしめるようにして...
山川方夫 「演技の果て」
...ということをだ」栄二はその言葉を噛みしめるようにしていて...
山本周五郎 「さぶ」
...少年の日の味を噛みしめる...
吉川英治 「随筆 新平家」
...その唇を噛みしめると...
吉川英治 「宮本武蔵」
...血のにじむほど噛みしめる...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
...酒は更に心で噛みしめる味ひを持つて居る...
若山牧水 「樹木とその葉」
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