...世間は恐怖の色調(しきちょう)をおびた騒ぎをもって満たされた...
伊藤左千夫 「水害雑録」
...ただ英発の気を以て満たされたところの諸君に向って時代の精神を述べることは決して無用に非ずと思うのである...
大隈重信 「始業式訓示」
...ついで粟屋品三が禿頭をふりたてて登壇すると議場は道化役者をむかえたように早くも笑声に満たされた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...すべて新しい匂いに満たされたその雑誌にあこがれ渡った...
田山花袋 「田舎教師」
...一時だけでもそれが満たされたような気がする...
寺田寅彦 「銀座アルプス」
...議政壇上は泣き女めいた長広舌で満たされた...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...そして彼の心は憐憫(れんびん)と嫌悪(けんお)とに満たされた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...室(へや)の中は厳粛な沈黙に満たされた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...街路は濃い硝煙(しょうえん)に満たされた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...と言ったような満たされた心があるものですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...車内は異様な空気に満たされた...
原民喜 「氷花」
...虚栄心を満たされた彼女は有頂天になっていた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...屋内がうっとりする旋律に満たされたからだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...室内は音楽に満たされた...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「最後の晩餐」
...生きるに生きがたい死を敢てする若い竹内数馬の苦痛に満たされた行動は...
宮本百合子 「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」
...自分は悲しいことに満たされた生涯(しょうがい)であったとより思われない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...梶は応接室である懐しい明るさに満たされた気持で...
横光利一 「微笑」
...永らく渇(かわ)いていた着物の慾が少しでも満たされたので...
吉川英治 「江戸三国志」
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