...この「名も知れぬ小草の花」が綺譚のヒロインお雪であるといふかも知れない...
心猿 「荷風翁の發句」
...中腹には名も知れぬ小さい神社があった...
江見水蔭 「壁の眼の怪」
...裏の林に名も知れぬ小鳥啼(な)いて...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...名も知れぬ小さな白や赤の花が咲いたらどうだろう...
豊島与志雄 「道化役」
...名も知れぬ気味(きみ)悪い葛(かずら)や茨(いばら)が...
豊島与志雄 「夢の卵」
...恐るべき名も知れぬ海草は彼を捕え...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...唯名も知れぬ野禽(やきん)の声を聞くばかりである...
永井荷風 「放水路」
...やがては北海道の奥地の名も知れぬ土地に...
中谷宇吉郎 「雪後記」
...――或いはまた名も知れぬ...
西尾正 「墓場」
...名も知れぬ一顆(ひとつぶ)の宝石なのです...
野村胡堂 「呪の金剛石」
...その女は名も知れぬ...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
......
三好達治 「艸千里」
...名も知れぬ民衆の労作である...
柳宗悦 「工藝の道」
...なぜならそれは多く名も知れぬ片田舎にあるからです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...それらの多くは片田舎の名も知れぬ故郷で育つのである...
柳宗悦 「民藝四十年」
...ことに名も知れぬ外人同士の試合...
山本笑月 「明治世相百話」
...野の中に名も知れぬ寒駅がぼんやりと横たはつてゐた...
横光利一 「頭ならびに腹」
...名も知れぬ魚の料理とは...
吉川英治 「三国志」
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