...体操の教官――ある陸軍大尉はいつも僕らには厳然としていた...
芥川龍之介 「追憶」
...何故ならヘルナー山頂には確かにそうした事実が厳然として存在しているのだから...
海野十三 「地球発狂事件」
...私の傍には厳然と...
太宰治 「佳日」
...今も昔のままに厳然と残っている城門を矢鱈(やたら)に出たり入ったりしながら...
太宰治 「惜別」
...厳然と城廓(じょうかく)のようにそびえ立っている...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...そのくせ命令的に両手を腰に厳然と私のまえに直立していて動かないのだ...
谷譲次 「踊る地平線」
...エフィ」彼は厳然として叫んだ...
コナンドイル Conan Doyle 三上於莵吉訳 「黄色な顔」
...三千円はあらためて君にくれる」厳然として言い放ちつつ武男は膝の前なる証書をとってずたずたに引き裂き棄(す)てつ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...髭(ひげ)を生(は)やして厳然と存在しているかのごとくに見える...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...王の御手が私の肩に触れたのを感ずると私は慌(にはか)に厳然と直立して...
牧野信一 「青白き公園」
...「結婚――」加藤は故意とらしく厳然として...
牧野信一 「女に臆病な男」
...厳然と坐り直つて...
牧野信一 「晩秋」
...その能力が直ちにその立派さと等しいものではないという厳然とした堰があります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「聖歌 二十四番!」会師が厳然と命令した...
矢田津世子 「反逆」
...厳然として自律する朝鮮である...
柳宗悦 「朝鮮の友に贈る書」
...秀吉の代りとして、そこにいよと命じられた小姓の加藤虎之助は、(主命もだし難く……)といわんばかりな顔して、迷惑を怺(こら)えながら、厳然と、両手を膝において坐っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...見も知らない怖い小父さんたちが、厳然と、清盛の左右に見えるので、今若も乙若も、母の膝へ爪を立てないばかりにしがみついていた...
吉川英治 「源頼朝」
...天下はまだ厳然として平家のものである...
吉川英治 「源頼朝」
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