...燒かれて油がジト/\ににじみ出る有樣を想像するのも耐らない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...冷たい油汗が手のひらににじみ出るばかりで...
有島武郎 「或る女」
...いきづまるような瞬間――にじみ出る汗場外の大衆も耳をすませてきいていた――声だけでもきこえるのだ押し殺したように黙って待っているみんなは心で叫んでいた...
今村恒夫 「死ぬる迄土地を守るのだ」
...「心の故郷我等が母校」と歌つて來ると熱い涙がにじみ出る...
相馬御風 「校歌「都の西北」と私」
...額(ひたい)に汗がにじみ出る...
太宰治 「正義と微笑」
...あんまり苦しくて顔が蒼(あお)くなり額に油汗のにじみ出るような気持で...
太宰治 「トカトントン」
...皮膚のしわからにじみ出るものは...
峠三吉 「原爆詩集」
...にじみ出る汗を袂(たもと)で拭きながら...
徳田秋声 「足迹」
...そして時々涙のにじみ出る目角(めかど)を...
徳田秋声 「足迹」
...そして手(ハンケチ)で玉のようににじみ出る鼻や額の汗を拭いた...
徳田秋声 「黴」
...身をかわすにさえも膏汗がにじみ出るのである...
戸坂潤 「社会時評」
...あざらかににじみ出る...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...その重さからでも涙はにじみ出るであらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...ぜんたいからにじみ出る感じは自分とおなじ「時代に置き去られた」という寂しさである...
山本周五郎 「新潮記」
...脂肪のにじみ出る頬は赤く染っていた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...重油船からにじみ出る油の皮膜が...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...――詫(わ)びても、詫びきれないような気もちから、自然、にじみ出る涙は、その傷者をして、無限な慰藉(いしゃ)となり、愛情の結びとなった...
吉川英治 「新書太閤記」
...その恋全体を背景としてそこににじみ出る心の影を軽く現わすというごとき技巧は知らぬのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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