...32けはひにさへも 心ときめき しぐれする ゆふぐれの 風にもまれるばらのはな...
大手拓次 「藍色の蟇」
...世にときめきし昔に思ひ比べて...
高山樗牛 「瀧口入道」
...という浮気に似たときめきを覚えて...
太宰治 「座興に非ず」
...胸がときめきした...
太宰治 「道化の華」
...心のときめきに於いては同じようにも思われるだろうが...
太宰治 「もの思う葦」
...なんとなしに物新しい心のときめきといったようなものを感じた...
寺田寅彦 「写生紀行」
...胸のときめきをとどめ得ない...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...彼は異常な心のときめきを覚えながら...
原民喜 「火の踵」
...何うなるかもわからぬ不安心ともつかぬ胸のときめきを私は感じた...
牧野信一 「二日間のこと」
...そこに湧くのが当然だろうと思われる新しい成長への希望や期待や欲求の愛らしく真摯なときめきがちっとも感じられないと索然とした思いであった...
宮本百合子 「結婚論の性格」
...だれもだれも心ときめきはされるのであるが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...彼女はこういう家族の待遇に心ときめきながら...
室生犀星 「津の国人」
...心の奥にひそんでいた胸のときめきが...
山本周五郎 「失蝶記」
...とつぜん意中の者同士がなんらの前提もなく密会の機にめぐまれたようなときめきをすら義貞はとたんに覚えた...
吉川英治 「私本太平記」
...女にときめきを覚えさせられる刹那(せつな)の自分とは...
吉川英治 「親鸞」
...盛綱は若者のような胸のときめきを覚えて...
吉川英治 「親鸞」
...異性へ搏(う)つ動悸(ときめき)と...
吉川英治 「宮本武蔵」
...というのは、その翌朝斉信が訪ねて来たとき、「局はひきもやあけ給はむと、心ときめきして、わづらはしければ」、梅壺の東おもての半蔀(はじとみ)をあげて斉信に逢い、凝花舎(ぎょうかしゃ)の前の西の白梅、東の紅梅を背景にして立っている美しい衣の男の姿を、「まことに絵に書き、物語にめでたきことにいひたる、これにこそは」と感嘆するのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索