...鼻柱が斜めに流れている...
海野十三 「断層顔」
...初雪の降った時ふと見ると戸外につないであった馬の鼻柱のところに見事に白く積もっていたというのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...鼻柱から鼻の孔から小鼻に至るまで綿密に触ってみるのである...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...明らかにフォン・コーレンに鼻柱を引き廻されているあのサモイレンコが...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...――高島貞喜は、学生たちが停車場から伴ってきたが、黒い詰襟(つめえり)の学生服を着、ハンチングをかぶった小男は、ふとい鼻柱の、ひやけした黒い顔に、まだどっかには世なれない少年のようなあどけなさがあった...
徳永直 「白い道」
...癖ありげな太い鼻柱...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...虎(とら)が舌(した)を出(だ)して谷(たに)の水(みづ)を呑(の)んでゐる鼻柱(はなばしら)が少(すこ)し汚(けが)されたのを...
夏目漱石 「門」
...あの小高い鼻柱を叩き折つて下さい...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鼻柱をつねつたりする彼の癖は...
牧野信一 「好色夢」
...手もとが狂つて鉄の手甲をつけた私の拳が厭つといふほど九郎の鼻柱に突き当つた...
牧野信一 「鎧の挿話」
...頭、耳がやはり波を打ったチョコレート色の毛で被われ、鼻柱にかけて、白とぶちになって居る...
宮本百合子 「犬のはじまり」
...「あのぶっくれ舟か」と長が或るとき鼻柱へ皺(しわ)をよらせ...
山本周五郎 「青べか物語」
...長は鼻柱に皺(しわ)をよらせて「あのぶっくれ舟」と云い...
山本周五郎 「青べか物語」
...そのうまいの鼻柱を叩くように...
山本周五郎 「季節のない街」
...二本の指で相手の眼をつぶし、鼻柱を砕き、額の骨を割る、とか、瓦十枚を手がたなで粉砕したり、拳(こぶし)で五寸釘(くぎ)を柱へ打ちこんだり、いろいろと珍らしい技を演じてみせたようである...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...即ち鼻柱出現の第一の使命がその辺にあるために...
夢野久作 「鼻の表現」
...「エエーイッ」いきなり深見重左の鼻柱へ...
吉川英治 「剣難女難」
...……はい」張飛は、鼻柱から、ぽとぽとと涙を垂らして、いつまでも、大地に両手をついていた...
吉川英治 「三国志」
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