...そう云えば鼻柱の上にも一人...
芥川龍之介 「少年」
...鼻柱が斜めに流れている...
海野十三 「断層顔」
...丁度鼻柱へ当って...
江戸川乱歩 「疑惑」
...ウェンデルの鼻柱へ飛んで...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...――高島貞喜は、学生たちが停車場から伴ってきたが、黒い詰襟(つめえり)の学生服を着、ハンチングをかぶった小男は、ふとい鼻柱の、ひやけした黒い顔に、まだどっかには世なれない少年のようなあどけなさがあった...
徳永直 「白い道」
...腥(なま)ぐさい臭(におい)が鼻柱を抜ける様に応(こた)える...
夏目漱石 「それから」
...鼻柱をなぐられて大分出血したんだそうだ...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...あの小高い鼻柱を叩き折つて下さい...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鼻柱に皺がよつて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...夢中で振り廻してゐる喧嘩者の拳骨が私の鼻柱に衝つて...
牧野信一 「くもり日つゞき」
...鼻柱をつねつたりする彼の癖は...
牧野信一 「好色夢」
...手もとが狂つて鉄の手甲をつけた私の拳が厭つといふほど九郎の鼻柱に突き当つた...
牧野信一 「鎧の挿話」
...頭、耳がやはり波を打ったチョコレート色の毛で被われ、鼻柱にかけて、白とぶちになって居る...
宮本百合子 「犬のはじまり」
...もぐらが柔い泥へ鼻柱をつっこんだときこんな楽しみかしらと思います...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「あのぶっくれ舟か」と長が或るとき鼻柱へ皺(しわ)をよらせ...
山本周五郎 「青べか物語」
...おとらだなんて」おようは鼻柱に皺(しわ)をよせた...
山本周五郎 「ひとごろし」
...冷たく私の右側の鼻柱を蹴りつけて見えなくなつた...
横光利一 「榛名」
...……はい」張飛は、鼻柱から、ぽとぽとと涙を垂らして、いつまでも、大地に両手をついていた...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索