...そう云えば鼻柱の上にも一人...
芥川龍之介 「少年」
...誰がお前のような者を可愛がるもんか? 一体お前は何が出来るのだ?」「何でも出来る、わ」「第一、三味線は下手(へた)だし、歌もまずいし、ここから聴いていても、ただきゃアきゃア騒いでるばかりだ」「ほんとうは、三味線はきらい、踊りが好きだったの」「じゃア、踊って見るがいい」とは言ったものの、ふと顔を見合わせたら、抱きついてやりたいような気がしたのを、しつッこいと思わせないため、まぎらしに仰向(あおむ)けに倒れ、両手をうしろに組んだまま、その上にあたまをのせ、吉弥が机の上でいたずらをしている横がおを見ると、色は黒いが、鼻柱が高く、目も口も大きい...
岩野泡鳴 「耽溺」
...路傍の木に鼻柱をくゝり上げられた牛が大道の真中へのさばり出たやうに...
高濱虚子 「古江」
...あ! 何だいあれあ! え!埃及(エジプト)の女だって? 鼻柱へ輪のついた棒みたいな物を立てて...
谷譲次 「踊る地平線」
...蒼白な顔に太々しい笑みをたゝえつゝ傲然(ごうぜん)と曳かれて行ったであろう父の餘りな鼻柱の強さが...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...その高い鼻柱が寝顔の半面に黒い影を落して...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...鼻柱から鼻の孔から小鼻に至るまで綿密に触ってみるのである...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...火事場の稼ぎにもゴムの鎧(よろい)に身を固むることを忘れざれば天狗(てんぐ)の鼻柱(はなばしら)遂に落るの憂なく...
永井荷風 「桑中喜語」
...放縦(ほうしょう)な彼の鼻柱を挫(くじ)いてやりたかった...
夏目漱石 「明暗」
...英雄の鼻柱が突兀(とっこつ)として聳(そび)えたら...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...鼻柱をつねつたりする彼の癖は...
牧野信一 「好色夢」
...誰かの拳骨に鼻柱を衝かれて脳貧血を起した音田は...
牧野信一 「まぼろし」
...私に却って鼻柱に皺のよるような苦笑を与えた...
宮本百合子 「木蔭の椽」
...鼻柱へ皺をよらせた...
山本周五郎 「青べか物語」
...相手の鼻柱を殴りつけるところでは...
山本周五郎 「季節のない街」
...鼻柱が曲がるほどであるが...
吉川英治 「折々の記」
...……はい」張飛は、鼻柱から、ぽとぽとと涙を垂らして、いつまでも、大地に両手をついていた...
吉川英治 「三国志」
...その動かない顔の鼻柱のわきを...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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