...「突く」というのは投槍のように網を突き飛ばす操作をそう云ったものではないかと思う...
寺田寅彦 「鴫突き」
...更にアレース手の中に巨大の槍を打ち揮ひ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...仲間等はカンバンを着て槍を立て草履を持ち...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...座敷で甲冑を着て抜身の槍を手で扱いて見た事があった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...島津斉興公の出府人数は、先払いから、小半町遅れて徒土頭を先頭に、丸に十字の金紋打った直槍(すぐやり)をつづかせ――だが、急ぎの道中のことといい、町を離れてからのこととて、槍を伏せて、制止声もかけず、足並を乱して、足早に、槍が二本、日傘、坊主、小姓、馬廻り、挟函、医者、胡牀(こしょう)、馬、土産の長持――いつもよりも、人数は少いが、それでも、二百人余りが、長々と橋を轟かして、渡って来た...
直木三十五 「南国太平記」
...で、竹槍、鍬(くわ)、鋤(すき)の類をはじめとしての得物(えもの)は、それぞれ柳の木に立てかけられたり、土手の上に転がされたりして、双方が素手(すで)で無事に入り交って、といっても中心に絶えずその理解を説いている浪人姿のさむらいを置いて、おのおのの主張を口舌で取交しはじめていることも、ハッキリわかりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...あつちのお袋だつておすがも可愛いし兼次も可愛いしなんだからこつちせえ譯がわかれば仲よく暮せるつちいもんぢやねえか」「檢査濟まねえうちはどうしたつて貰あわえから駄目だよ」四つ又もどうせ駄目とは思つてもいふだけのことは云つて見ようといふ譯なんだが然しかう出ては槍が降つても迚ても駄目だ...
長塚節 「芋掘り」
...槍玉にでも上げますか」縁側へ出て來た...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...こいつは恐ろしい道具だ」平次はその斑々たる手槍の折れを眺めております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...額の槍きずでわかるのである...
服部之総 「せいばい」
...その服装やこせこせした態度を槍玉にあげて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...槍は死人を突いた...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「かなしき女王」
...抜身の槍で押し寄せて...
正岡容 「我が圓朝研究」
...足元の野槍を拾い取るや否...
吉川英治 「江戸三国志」
...ぶすと槍を突きとおし...
吉川英治 「三国志」
...おのれ」と二本の槍(やり)は...
吉川英治 「神州天馬侠」
...青葉をかすめる槍の光や差物(さしもの)が...
吉川英治 「新書太閤記」
...槍を取った原士の影が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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