...魚槍を肩にし、創口(きずぐち)より血なお滴(したた)れる鱒を提(さ)げたる男、霧の中より露われ来る...
大町桂月 「層雲峡より大雪山へ」
...それは人違い」「よし! 何処迄もしらを切れ」云うより先に河内介の槍(やり)の穂先が「龍」の字の方へ飛んで行った...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...陣中行きて其槍のもなかを握り...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...ひとりヘレノスと(彼は勇將)――その友の 780デーイポボスは長槍に手は射られしも死を脱れ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...兩刄(もろは)ある槍を揮ひつ敵軍を追ひつつ進む眼前に...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...繰返し、繰返し、槍の長さとか、穂の長さとか、得手は、管槍(くだやり)か、素槍(すやり)か、とか、いろいろ聞いて参ったそうだ...
直木三十五 「寛永武道鑑」
...半兵衛は(槍だ...
直木三十五 「寛永武道鑑」
...それとも従五位(じゅごい)の槍が怖(こわ)いかな」芹沢はこういって近藤...
中里介山 「大菩薩峠」
...淡路流の槍は穂先が短い...
中里介山 「大菩薩峠」
...槍や鉄砲や梯子(はしご)の類は通さない...
野村胡堂 「胡堂百話」
...やはり槍か何かでございましょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...傷は背中から一箇所、槍でゑぐつたか、刀で突いたか、得物が無いのでわかりませんが、左肩胛骨(かひがらぼね)の下を、心の臟へかけての深い傷で、何樣凄まじい血潮です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...二間半などという長槍を林のごとく持つ甲州自慢の中堅で...
吉川英治 「上杉謙信」
...槍の石突で、そこを小突かれたことは、相手の誰であるに関(かかわ)らず、日吉を、むッとさせたに違いなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...馬腹、槍手、すでに血ぬられ、馬蹄(ばてい)の躍るところ、前に立ち得る敵もない...
吉川英治 「新書太閤記」
...そこで大音声に、「加藤虎之助、一番槍」と、四方へ告げると、誰かが彼のうしろで、大いに笑った...
吉川英治 「新書太閤記」
...槍組の部将、穂富山城守は、そこへ来て、ひざまずいても、息を切っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...先の一角がピタと足をとめて、「おおあれだッ――法月弦之丞!」指を指し示すとともに、「それッ」浪がしらがかぶったような勢いで、槍や刀、入りまじった二、三十名の武士が、ドッとその人影の後ろへ衝(つ)いて行った...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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