...真暗で妙なにおいだけが鼻につく営倉の中で落付けるわけがない...
日本経済新聞社 「私の履歴書」
...いくら設備がよく出来てゐるにしてもあの一種の臭気だけは遠方から鼻につく...
高浜虚子 「落葉降る下にて」
...その度毎(たびごと)に彼女の欠点が鼻につくので...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...また物のにほひがわるく鼻につくと言つては厨の人達を驚かした...
田山花袋 「道綱の母」
...ある紳士がヨードホルムを鼻につくほど匂わせ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「ボヘミアの醜聞」
...物の匂いがいやに鼻につく...
豊島与志雄 「反抗」
...度々では鼻につくが...
中里介山 「大菩薩峠」
...毎日食ってる人間の肉は自然鼻につくからだとも教えたものがあるし...
夏目漱石 「坑夫」
...むしろ常套の臭氣が鼻につくやうにさへなつて居る...
萩原朔太郎 「青猫」
...あぶらの焼ける匂ひが鼻につく...
林芙美子 「晩菊」
...官僚の気取りが鼻につく...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...鼻につくのは何千何万という大金の匂いばかり...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...鼻につくようなことはなく...
平林初之輔 「愛読作家についての断片」
...今日の小説手法(テクニック)から見れば、メロドラマ風の點が、多少鼻につくし、また當時にあつても、作者の處女作(――嚴密に云へば第二作)的な多少の生硬さが、眼についた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...いくらか鼻につくところもあるから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その女のことを思うといまでも塩鯖を焼く匂いが鼻につくくらいだ...
山本周五郎 「季節のない街」
...とかく鼻につく小才子風と...
吉川英治 「新・水滸伝」
...どこへ行ってもつき物のように鼻につくが...
吉川英治 「宮本武蔵」
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