...もう鼠色のペンキの剥(は)げかかった...
芥川龍之介 「魔術」
...大海には小さな鼠色の砂利が敷き詰めてあるが...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...薄鼠色の中折を左の手に持ツて...
石川啄木 「漂泊」
...鼠色によごれた毛布...
梅崎春生 「日の果て」
...間もなく鼠色の厚いノートを手に持って入って来て...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「情鬼」
...K夫人を殺したのも無論その鼠色の男だということなのですが...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「耳香水」
...それに鼠色した下着といったものが掛けてあるが...
高見順 「如何なる星の下に」
...銀鼠色のかなりにいゝ品らしいソフト帽が見えた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...いつもバンドのとれたよごれた鼠色のフェルト帽を目深(まぶか)に冠(かぶ)っていて...
寺田寅彦 「喫煙四十年」
...手袋は鼠色で右の親指がすり切れている...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「同一事件」
...椎(しい)の木に銀鼠色(ぎんねずいろ)の嫩葉(わかば)が...
徳田秋声 「縮図」
...空も草原も鼠色の一色に塗り潰された世界である...
中谷宇吉郎 「八月三日の夢」
...この二三日、お前は、鼠色の、だぶだぶな海水着をきている...
堀辰雄 「麦藁帽子」
...鼠色の空の下をリッジを迫って...
松濤明 「春の遠山入り」
...鼠色の外套を羽織り...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...その鼠色に沈んだ眺めを見やりながら...
山本周五郎 「山彦乙女」
...湯気にまぎらわしい鼠色の衣を着た一人の虚無僧...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...介三郎はいきなり手をのばして鼠色の手甲(てっこう)をかけた相手の手をにぎって...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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