...そこに鼠色の一點と見えるのは...
ルイ・ベルトラン Louis Bertrand 上田敏訳 「石工」
...天井の壁も鼠色にぬりつぶされている...
海野十三 「空中墳墓」
...それがすべて鼠色の男の仕業だかどうだか分らないのですが...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「耳香水」
...鼠色のこまかい縞目(しまめ)が織りこめられていた...
太宰治 「葉」
...鼠色の雲は低く垂れて...
田山録弥 「ある日」
...青鼠色のリボンのついた銀色に光る麦藁帽を冠っていた...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「青玉の十字架」
...鼠色の、ずいぶん雨風を浴びた袈裟衣(けさごろも)をかけて、帽子を被り珠数(じゅず)を手首にかけながら、少しく前こごみになって、あまり高い音声ではないが、よく透(とお)る声で、「さいぜんも申す通り、我等が境界(きょうがい)は跣足乞食(はだしこじき)と同じ身分じゃ...
中里介山 「大菩薩峠」
...ただ一色に鼠色になる...
中谷宇吉郎 「荒野の冬」
...北国の永い冬は鼠色の雪に包まれて...
中谷宇吉郎 「御殿の生活」
...鼠色(ねずいろ)の長い裾(すそ)...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...次第に銀鼠色に暮れ行く空...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...真物の猿の毛はもっと長くて柔らかくて、色も少し鼠色で、根の方が黄色に斑になって居る」「妹のお浜を庇(かば)ってやるのは構わねえが、お猿まで庇っちゃ困るぜ」「大丈夫、お猿に親類筋はありませんよ」「で?」「それっ切りですよ」「一と晩がかりの土産はそれっ切りか」「それからお浜が飛んだ働き者で、可愛らしい娘だったことと――、千両箱なんか何処にも転がっていないことと」「もういい」「まだありますよ――それから浪人者の宇佐美敬太郎を訪ねて」八五郎はまだまだ報告し足りない様子です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...古(ふる)びた鼠色で彼女があつてくれないことを...
長谷川時雨 「あるとき」
...この二三日、お前は、鼠色の、だぶだぶな海水着をきてゐる...
堀辰雄 「麥藁帽子」
...これに反しスウェーデンで牧女どもの言い伝えに、昔畜生皆言語した時、狼が「吾輩を狼と呼ぶな仇するぞ、汝の宝と呼べば仇せじ」と説いたとかで、今にその実名を呼ばず、黙った者、鼠色の足、金歯など唱え、熊を老人、祖父、十二人力、金足などと称う...
南方熊楠 「十二支考」
...鼠色合服の上着の前を左右から掻きあわせつつ...
宮本百合子 「刻々」
...きのふワシリが乗つて来た鼠色の馬である...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...その錦絵はもうスッカリ鼠色にボヤケてしまった昔の版でありましたために...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
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