...僕の中学時代には鼠色のペンキを塗つた二階建の木造だつた...
芥川龍之介 「本所両国」
...空氣は鼠色にて雨少し降れり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...鼠色のいやらしいものが地上に横わっているのだ...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...空は低く鼠色...
太宰治 「佐渡」
...婦人でも用いそうな瀟洒(しょうしゃ)な鼠色のスエード革の靴を穿(は)かれた小柄な太子の姿というものは...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...青いのや鼠色の啖唾(たんつば)が流れきらずに引掛っている...
永井荷風 「夏の町」
...堅(かた)い鼠色(ねずみいろ)の燒(や)き物(もの)であつて...
濱田青陵 「博物館」
...鼠色の襟卷きはたしか五圓足らずでずつと以前に長野の洋品店で買つたものだつたが...
林芙美子 「雨」
...それがどうしたというの」横あいから鼠色に塗った高速艇が消防自動車のようなサイレンを鳴らしながらすっ飛んできた...
久生十蘭 「だいこん」
...せなかに大きな桔梗(ききょう)の紋(もん)のついた夜具(やぐ)をのっしりと着込(きこ)んで鼠色(ねずみいろ)の袋(ふくろ)のような袴(はかま)をどふっとはいておりました...
宮沢賢治 「紫紺染について」
...先下女はマタルスの女(むすめ)かと見えて鼠色也...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...空は鼠色(ねずみいろ)で...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...鼠色にかすみながらはがね色に澄みあがった空へ溶けこんでいった...
山本周五郎 「青べか物語」
...薄鼠色に染めた木綿の筒袖と...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...夕雲と思つた美しい空の色が次第に藍気(あゐけ)を帯びて来て鼠色の家の上の窓なども定かに見えなくなつて来た...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...鼠色の雲が峰から峰へ動いて行く...
吉江喬松 「山岳美觀」
...銀鼠色(ぎんねずいろ)の虚無僧衣...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...介三郎はいきなり手をのばして鼠色の手甲(てっこう)をかけた相手の手をにぎって...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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