...僕の後ろにはいつの間にか鼠色(ねずみいろ)の大掛児(タアクアル)を着た支那人が一人...
芥川龍之介 「湖南の扇」
...僕の中学時代には鼠色のペンキを塗つた二階建の木造だつた...
芥川龍之介 「本所両国」
...鼠色に塗った壁に沿うて...
アルチバシェッフ M. Artzibaschew 森鴎外訳 「罪人」
...同じく麻の鼠色した袴をはき...
海野十三 「雷」
...部屋のすみの椅子に固い鼠色の中折帽をおき...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「オスカー・ブロズキー事件」
...機関長室からハイカラ先生の鼠色のズボンが片足出て...
寺田寅彦 「高知がえり」
...薄鼠色(うすねずみいろ)の着物の長くひいた裾(すそ)にはやはり月見草が美しく染め出されていた...
寺田寅彦 「花物語」
...この頃の空癖(そらくせ)で空は低く鼠色(ねずみいろ)に曇り...
永井荷風 「すみだ川」
...青いのや鼠色の啖唾(たんつば)が流れきらずに引掛っている...
永井荷風 「夏の町」
...一面の薄青い透明な鼠色である...
中谷宇吉郎 「アラスカ通信」
...黒の背広に鼠色(ねず)のネクタイという...
羽志主水 「越後獅子」
...真新(まつさら)な鼠色の長上衣(スヰートカ)に...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...鼠色の雄姿をあらわしたのである...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...ちやうど秋ぐちなんぞには着てみたくなるやうな鼠色のスポオツ・ドレスにいつまでも手をかけてゐると...
堀辰雄 「おもかげ」
...この二三日、お前は、鼠色の、だぶだぶな海水着をきてゐる...
堀辰雄 「麥藁帽子」
...先下女はマタルスの女(むすめ)かと見えて鼠色也...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...濃い鼠色にいくらか明るみのさしてきた空には...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...鼠色の着物を裾みじかに着て...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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