...鼈甲(べつかふ)の櫛(くし)笄(かうがい)を円光の如くさしないて...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...鼈甲の簪(かんざし)に辮髪を巻き...
芥川龍之介 「北京日記抄」
...鼈甲(べっこう)の中指(なかざし)ばかり...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...博士は鼈甲縁の眼鏡を直しながら...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...魚鼈(ぎょべつ)居る水を踏まへて水馬(みずすまし)昭和十年七月十一日 七宝会...
高浜虚子 「五百句」
...蝶貝ヲ鏤(ちりば)メタ鼈甲(べっこう)ノ櫛ヲサシテイル...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...その鼈甲(べつかふ)の櫛(くし)が證據のつもりなら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鼈甲の貴さは黄金に匹敵した時代で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鼈甲(べっこう)の櫛(くし)が眼に残っていますって――黒っぽい透綾(すきや)の着物に...
長谷川時雨 「市川九女八」
...大きな鼈甲(べっこう)ぶちの眼鏡(めがね)を鼻の上にのせて...
長谷川時雨 「西洋の唐茄子」
...白紙(かみ)を鼈甲の笄(かうがい)に捲いた...
長谷川時雨 「春」
...月鼈(げつべつ)の相違であることが益々明らかに想はれるだけだつた...
牧野信一 「武者窓日記」
...啻(ただ)に月鼈(げつべつ)霄壌(しょうじょう)のみならず...
正岡子規 「古池の句の弁」
...※(げんだ)魚鼈(ぎょべつ)を食い...
南方熊楠 「十二支考」
...鼈甲のしんに珊瑚の入った花の簪が早朝の黒い土に落ちて...
宮本百合子 「からたち」
...此比(このころ)楊皮(やうひ)(蕃名(ばんめい)キヤキヤとか申候)柴胡(さいこ)鼈甲等入候和解之剤たべゐ申候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...鼈甲(べっこう)の紙切小刀(かみきりこがたな)が置いてある...
森鴎外 「かのように」
...鼈甲縁の眼鏡をかけた三好がスタスタと遣って来た...
夢野久作 「オンチ」
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