...荒くれて黝(くろ)ずんだその幹に千社札が一枚斜に貼りつけられてあって...
有島武郎 「星座」
...あの黝(くろ)ずんだ赤みと...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...黝(あおぐろ)いシミが出たことがあって...
谷崎潤一郎 「細雪」
...黝(くろ)ずんだ赤と紺との荒い棒縞(ぼうじま)の袍(どてら)も...
徳田秋声 「仮装人物」
...年月の埃に黝んだ白鞘で...
豊島与志雄 「怪異に嫌わる」
...まだ黝ずんでる大空の色と見分け難いほどのものが...
豊島与志雄 「月明」
...黝ずんだ堅い実を幾つもつけていた...
豊島与志雄 「特殊部落の犯罪」
...めっきり黝(くろず)んできた人のながれが淀みながら動いていた...
久生十蘭 「金狼」
...松の林が妙にくすんだような青さで黝(くろず)んでいた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...古風な木造の円頂閣と黝んだ尖塔のある寺院...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...黝(くろ)ずんだ衣裝箪笥があつて...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...黝ずんだ天井は低く垂れ下つて...
北條民雄 「外に出た友」
...妙に黝んで見える...
堀辰雄 「春日遲々」
...松の並木のはてばかり黝んだ琥珀をさびしくくゆらし...
宮沢賢治 「女」
...そのすきとほった氷の穴から黝(くろず)んだ松林と薔薇色の雪とが見えました...
宮澤賢治 「氷と後光」
...膝のあたりを縛つた繃帶にも既に黝ずんだ血糊がにじんでゐるではないか...
三好達治 「艸千里」
...黝(くろ)いつぶらな眼でじっと人を見る...
山本周五郎 「青べか日記」
...もう空の茜(あかね)が薄黝(うすぐろ)く褪(あ)せた頃だった...
蘭郁二郎 「蝕眠譜」
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