...そして三十女の婦人病を思わせるような眼隈(めのくま)の黝(くろ)ずみぐらいなものであった...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
......
峠三吉 「原爆詩集」
...柱も天井も黝(くろず)んだ...
徳田秋声 「足迹」
...その指が一本だけどうしたわけなのか病中に黝ずんでしまっていたのを...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...長い物影を宿して黝ずんでいた...
豊島与志雄 「反抗」
...黝ずんだ天井、薄汚れのした黄色っぽい壁、汚点(しみ)のある肯い窓の障子、それと対照して、新らしく張り換えたらしい真白な縁側の障子、浅い床(とこ)の間(ま)の横の一枚の襖と反対の側の二枚の襖とは、処々に切り張りがしてあった...
豊島与志雄 「反抗」
...柔和な眼つきをした花嫁たちの大群が沖を黝(くろず)ましてやってくる...
久生十蘭 「海豹島」
...端の方にべッとりと赤黝(あかぐろ)い汚点(しみ)がついている...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...蒼黝い銃身を物凄く光らせている...
久生十蘭 「魔都」
...だだっぴろい黝(くす)んだ木造の古い寺などを私は物珍らしく眺めるのであった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...黝んだオリーブ色をしたウォツカをひっかけると...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...楓の林は荘重に陰欝に黝み...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...彼が我が家と呼んでゐる黝(くろず)んだ屋根と灰白の壁とに湧いて來る愛着を口にしたことがあつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...妙に黝んで見える...
堀辰雄 「春日遲々」
...海の色はなんだかどす黝くさへあつた...
堀辰雄 「旅の繪」
...海の色はなんだかどす黝(ぐろ)くさえあった...
堀辰雄 「旅の絵」
...松の並木のはてばかり黝んだ琥珀をさびしくくゆらし...
宮沢賢治 「女」
...夜目にも黝(くろ)く小高い丘が...
蘭郁二郎 「鱗粉」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??