...時は黙然としてたゆみなくページを繰っているのだ...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「ウェストミンスター寺院」
...彼等黙然として頭俛(た)れ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...千々岩は黙然と坐(ざ)しいる武男を流眸(ながしめ)に見て...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...三十六月心院の一間で、机竜之助が、頭巾も取り、被布も取払って、真白な木綿の着衣一枚になって、大きな獅噛火鉢(しがみひばち)の縁に両肱(りょうひじ)を置いて、岩永左衛門が阿古屋(あこや)の琴を聞くような形をして、黙然としている...
中里介山 「大菩薩峠」
...花子はいつまでも黙然としてゐた...
中村地平 「悪夢」
...彼は頬杖をついて黙然とながめていたが...
久生十蘭 「黒い手帳」
...「おかしくなったのさ」「おかしいか」「…………」黙然と...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...黙然と礼をして去った...
吉川英治 「三国志」
...真暗な山谷の声や夜空の風を黙然と聴いていた...
吉川英治 「三国志」
...しばらく馬上に黙然としていたが...
吉川英治 「三国志」
...三魯粛の語る始終を周瑜(しゅうゆ)はさっきから頭を垂れて黙然と聞いていたが...
吉川英治 「三国志」
...具行は、やっと、平常心をとりもどしたように、黙然と立った...
吉川英治 「私本太平記」
...黙然と聞いておられたが...
吉川英治 「私本太平記」
...「…………」家康は、微酔(びすい)して、まっ赤になった顔を、黙然と垂れて、かれのいうがままを、いわせていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...炉ばたには黙然と首をうなだれて聞き入っている人があるし...
吉川英治 「親鸞」
...それから十分間ほど後には、彼はまた、居留地十四番館の路傍へ戻り、黙然と、前のように見張に立っていた...
吉川英治 「旗岡巡査」
...飼い主がねえならねえように、おらが処分するが、あとで苦情はあんめえな」いないのではない、美少年は荷物に倚(よ)りかかって、黙然と、何か考え事でもしている様子なのだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...黙然と、波打際(なみうちぎわ)に立っていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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