...四人が思い思いの方角を向いて佇みしばらくは黙然としていた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...千々岩は黙然と坐(ざ)しいる武男を流眸(ながしめ)に見て...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...一人黙然としがちになっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...三四郎は黙然として考え込んでいた...
夏目漱石 「三四郎」
...先刻電話でホテルの支配人に申渡して置きました」「逃げ出す心配はないのかね」「安全確実に保護してあります」これでまた一座黙然となる...
久生十蘭 「魔都」
...やや長いあいだ黙然と眼を閉じていたが...
久生十蘭 「魔都」
...良(やや)暫くの間と云うものは造付(つくりつ)けの木偶(にんぎょう)の如くに黙然としていたが...
二葉亭四迷 「浮雲」
...座敷の奥に黙然としている邦夷の眼をさがした...
本庄陸男 「石狩川」
...おさらばです』黙然と...
吉川英治 「篝火の女」
...しばらく馬上に黙然としていたが...
吉川英治 「三国志」
...黙然とさしうつ向いてしまった兄の心を察して...
吉川英治 「三国志」
...孔明は黙然と退出した...
吉川英治 「三国志」
...そして黙然と起つともう階(きざはし)を降(くだ)っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...『…………』二人の使者は、黙然と、眼を見あわせたきりで立った...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...――また、玉日が身と、房丸が身とは、かように勅勘(ちょっかん)を蒙(こうむ)って流さるる私が、配所へ連れ参ることもかないませぬよって、何ぶんともに、ご不愍(ふびん)をおかけ賜わりませ」月輪の老公は、黙然と、何度もうなずいて、聞くのであったが、「玉日や、房丸が身は、わしが手にひきとって、守ろうほどに、必ず、お案じなさらぬがよい」といった...
吉川英治 「親鸞」
...武蔵は、黙然と立って、婆と牝牛(めうし)をそこに残し、婆の眼にふれないところへ去って、弁当を解(と)いた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「…………」佐渡は、黙然と、読後の文字をなお見入っていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...混乱し黙然としていた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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