...黙然として煙草をふかしながら...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...黙然として聞いたというのである...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...私にも猿ぐつわをはめようとかかるにちがいない」正造は腕ぐみして黙然と眼をとじていたが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...彼は闇の中を静に見廻しながら小半時も其処に黙然としていたが...
田中貢太郎 「魔王物語」
...われわれはただ黙然として夜の明けるのを待った...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「ペルゴレーズ街の殺人事件」
...黙然として憤っていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...クリストフは黙然として涙を流した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...黙然と時を過すのを楽(たのしみ)とした...
夏目漱石 「思い出す事など」
...三人は黙然と椅子に掛けて...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...――下野も黙然と信玄の顔を見ているらしかった...
吉川英治 「上杉謙信」
...しばらく黙然としていた...
吉川英治 「大谷刑部」
...黙然と物に腰をおろしているただならぬお人影と二人の女性のかしずいているのも見えた...
吉川英治 「私本太平記」
...樋口三郎兵衛はややしばし黙然としていたが...
吉川英治 「新書太閤記」
...『そうだ』黙然と...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...『大野氏(うじ)にも、お立会いを願いたい』九郎兵衛は、黙然と、帳簿の山を、見ていたが、『あわただしく、何を召されようというのか』『一刻も捨て措(お)かれますまい...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...『…………』二人の使者は、黙然と、眼を見あわせたきりで立った...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...三帰りがけ――その晩も、いつもの居酒屋に立寄って、平四郎は、『亭主、冷酒(ひや)でよい、一杯くれい』薄暗い片隅の床几(しょうぎ)に腰かけて、黙然と、肘(ひじ)をついていた...
吉川英治 「夏虫行燈」
...飲みほすと、また黙然と、壁に倚りかかって腕ぐみしているのだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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