...帯は赤の玉乗り友禅や麻の鹿の子などはんなりしてゐた...
上村松園 「写生帖の思ひ出」
...その時分私が二十二歳で桃割髪に鹿の子を懸けて...
上村松園 「栖鳳先生を憶う」
...『大分世帯に染(しゆ)んでるらしい目立つ鹿の子の油垢』調子は例によつてうき/\として居るが...
高浜虚子 「斑鳩物語」
...溜池の端に、鹿の子滝といふ、この地方の名所がある...
太宰治 「津軽」
...」「鹿の子百合...
太宰治 「めくら草紙」
...汝らアルゴスの怯れたるもの恥ぢざるや?いかなれば斯く茫然と鹿の子の如(ごと)佇立むや?廣き大野を翔け走り疲るる時に立ち停り...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...鹿の子に乳を飲ませて養っていることであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...番兵さんの話によると、多分猟師に追われたものだろう、一頭の子鹿がこの牧場へ逃げこんだのを、そのまま一頭の乳牛にあてがって置くと、それがわが子と同様に乳を与え、鹿の子もまた、牛を母としてあえてあやしまないで毎日暮しているとのこと...
中里介山 「大菩薩峠」
...お秋のむせ返るような妖艶なとりなしもさることながら、本所番場町の浪宅に、淋しく留守をしておる筈(はず)の許婚(いいなずけ)、――若くて気高くて、賢い鹿の子の、清らかさを思い出していたのです...
野村胡堂 「十字架観音」
...取去らせようともしない鹿の子は...
野村胡堂 「十字架観音」
...鹿の子の敬虔な日常に引入(ひきい)れられて...
野村胡堂 「十字架観音」
...「鹿の子さんは切支丹宗門に帰依した疑いがあるとやらで...
野村胡堂 「十字架観音」
...燃えるような緋鹿の子の結綿と...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...鹿の子や金紗(きんしゃ)を...
長谷川時雨 「明治座今昔」
...……『か』は申すまでもなく鹿の子の『か』……...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...……鹿は鹿の子の『か』と読ませるつもりだそうだから...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...「この鹿の子は旨さうだな...
牧野信一 「公園へ行く道」
...点点とした鹿の子斑な路の上は...
横光利一 「旅愁」
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