...ちょっと鹿の子を掛けたりすると可愛いものだ...
上村松園 「京のその頃」
...これは鹿の子の振袖ではない...
中里介山 「大菩薩峠」
...どうしてこんな目に逢いましたの?」「あなたはお銀様ですね」「そうですよ」「お話し申せば長うございますが……」鹿の子は生れて半時(はんとき)も経たぬ間に...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこで鹿の子が、親ならぬ親を親として、その懐ろに安んじて眠り、牛の親が、子ならぬ子を子として、二心なく育てる微妙な光景を見ていると、この分では、狼の子が来ても、牛はそれを憎まずに愛し得るだろうと思われる...
中里介山 「大菩薩峠」
...――鹿の子も知っておるであろう...
野村胡堂 「十字架観音」
...「先程遠藤(えんどう)様がお見えになりました」「遠藤?」「シモン遠藤様」「えッ」四方(あたり)を見い見い囁(ささや)く鹿の子の言葉を...
野村胡堂 「十字架観音」
...鹿の子は余吾之介の顔を仰ぎました...
野村胡堂 「十字架観音」
...夜と共に静かに静かに祈っておる鹿の子の許(もと)――番場町の清らかな浪宅へ帰る気にはなれなかったのです...
野村胡堂 「十字架観音」
...お秋は勘違いをしているのだ、俺には、鹿の子という、まだ祝言はせぬが、定まる配偶(つれあい)がある」「――――」「お前の気持はよく解るが、この上の罪を重ねるわけにはゆかぬ」「それでは、どうして番場町へ帰りません」「俺は鹿の子が怖いのだ、あの女は、あまりに聖(きよ)らかだ、夜も昼も、祈りに暮れている」「それじゃ鹿の子様は、もしや昔のままの切支丹の宗門を――」「これ、つまらぬ事を言うな」「あの頃は禁制といっても大したことはありませんでした...
野村胡堂 「十字架観音」
...言う迄もなく余吾之介の許婚(いいなずけ)の鹿の子です...
野村胡堂 「十字架観音」
...磔柱の上に夢心地に祈っていた鹿の子は...
野村胡堂 「十字架観音」
...「お、鹿の子、無事であったか」「余吾之介様、お秋が代って死にました、私も処刑を願いましたが許されません、何事も思召(おぼしめし)でございます」「鹿の子」二人は犇と、四方(あたり)の見る目も構わず抱き合いました...
野村胡堂 「十字架観音」
...緋鹿の子を絞った長襦袢が少し崩れて...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...燃えるような緋鹿の子の結綿と...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...赤い鹿の子の帶を締めて洗つたばかりらしい多い髮を...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...赤い鹿の子の襟へ――...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...緋(ひ)鹿の子のじゅばんを着ている...
長谷川時雨 「西川小りん」
...……『か』は申すまでもなく鹿の子の『か』……...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
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