...私が今年の秋初めて鵙の鳴声を聴いたのは...
薄田泣菫 「独楽園」
...表面に真誉琴台正道信士と刻し裏面に俗名温井佐助、号琴台、鵙屋春琴門人、明治四十年十月十四日歿、行年八拾三歳とある...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...常に春琴を弟子に持っていることを誇(ほこ)りとして人に吹聴(ふいちょう)し玄人(くろうと)筋の門弟たちが大勢集まっている所でお前達は鵙屋のこいさんの芸を手本とせよ〔注...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...何という心得違いをいうぞといった○春松検校の家は靱(うつぼ)にあって道修町の鵙屋の店からは十丁ほどの距離(きょり)であったが春琴は毎日丁稚(でっち)に手を曳(ひ)かれて稽古に通ったその丁稚というのが当時佐助と云った少年で後の温井検校であり...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...鵙屋の御寮人は訝(いぶか)しみながらもその時は大して気にも止めず寝てしまったがその後二三度も夜中起き出(い)でるごとに耳についたことがありそう云えば私も聞きましたどこで弾いているのでござりましょう...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
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谷崎潤一郎 「春琴抄」
...芒花風になびき鵙始めて啼く...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...私の本棚には一冊の書物もなくなつて、鵯、山鳥、カケス、鶫、雉、鵙、雀、カハセミ等の標本が翼を並べた...
牧野信一 「剥製」
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三好達治 「寒林小唱」
...その肉声のなかには鵙(もず)のような啼き工合や...
室生犀星 「幻影の都市」
...是(これ)を鵙(もず)の速贄(はやにえ)とは云ふなり...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...これは鵙が冬食べ物がなくなった時食べようと思って仕舞って置いたのです...
夢野久作 「鵙征伐」
...今の声は……」「ケダモノじゃろか」「鳥じゃろか」「猿と人間と合の子のような……」「……春先に鵙(もず)は啼(な)かん筈じゃが……」皆...
夢野久作 「笑う唖女」
...鵙(もず)の啼きぬいている秋の日だった...
吉川英治 「黒田如水」
...私は幅を下へ展(ひら)いて来ながらあの枯木と鵙の水墨にまったく恍惚と魅せられてしまった...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...何気なく見てゆくと、宮本二天画、枯木鳴鵙図、五八〇円と落札値が出ている...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...重要文化財の「枯木鳴鵙図」すら...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...鵙(もず)は低く飛び...
吉川英治 「宮本武蔵」
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