...鷦鷯は鵙におくれて...
薄田泣菫 「独楽園」
...伝によると「春琴の家は代々鵙屋安左衛門(やすざえもん)を称し...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...けだし春琴は鵙屋のお嬢(じょう)様であるからいかに厳格な師匠でも芸人の児を仕込むような烈(はげ)しい待遇(たいぐう)をする訳に行かない幾分か手心を加えたのであろうその間にはまた...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...鵙屋の御寮人は訝(いぶか)しみながらもその時は大して気にも止めず寝てしまったがその後二三度も夜中起き出(い)でるごとに耳についたことがありそう云えば私も聞きましたどこで弾いているのでござりましょう...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
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谷崎潤一郎 「春琴抄」
...音曲指南(おんぎょくしなん)の看板にも鵙屋春琴の名の傍へ小さく温井(ぬくい)琴台の名を掲げていたが佐助の忠義と温順とはつとに近隣(きんりん)の同情を集め春琴時代よりかえって門下が賑(にぎ)わっていた滑稽(こっけい)な事は佐助が弟子に教えている間春琴は独り奥の間にいて鶯(うぐいす)の啼く音などに聞き惚(ほ)れていたが...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...芒花風になびき鵙始めて啼く...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...途上たていしの山こえゆけば落葉松(からまつ)の木深き溪に鵙の啼く聲立石の淺山坂ゆかへりみる薄に飛彈の山あらはれぬ霧が峰うれしくも分けこしものか遙々に松虫草のさきつゞく山つぶれ石あまたもまろぶたをり路の疎らの薄秋の風ふく霧が峰は草の茂山たひら山萩刈る人の大薙に刈る八日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
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長塚節 「長塚節歌集 下」
...夫(そ)れが借金(しやくきん)になりて鵙(もず)は頭(あたま)が上(あ)がらず...
樋口一葉 「曉月夜」
...一鵙の声が鋭く気たゝましい...
牧野信一 「鬼涙村」
...鵙の声などを耳にして...
牧野信一 「鬼涙村」
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正岡子規 「俳人蕪村」
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三好達治 「短歌集 日まはり」
...かわいそうにお父さん蛙は鵙(もず)に捕えられて茅(かや)の刈り株に突き刺されて日干になって死んでいました...
夢野久作 「鵙征伐」
...鵙(もず)の啼きぬいている秋の日だった...
吉川英治 「黒田如水」
...また重文「枯木鳴鵙図」のような傑作が...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...鵙屋(もずや)の妻となっていたお吟(ぎん)を召しよせて...
吉川英治 「日本名婦伝」
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