...――よう戻って来た娘の手を握りながら両親(ふたおや)は娘一人ふえたこれからの生活(くらし)を考える正月だと言って餅を鱈腹食うて寝ては居れなかった地主の塀からきこえる景気のいい餅搗きの音に餓鬼どもは咽喉(のど)をグウグウいわせて駄々をこねたお父うが鍬をかついで裏口からコッソリ出かけようとしたときお母あはどう言って泣いたか――三ヵ日にようもまあ...
榎南謙一 「農村から」
...美味(うま)い果物を鱈腹(たらふく)食つて女買(をんなかひ)をしたところで...
薄田泣菫 「茶話」
...祥雲氏はその晩鱈腹(たらふく)牛肉と松茸とを食つて寝床に入つた...
薄田泣菫 「茶話」
...二人は鱈腹飲んだり食つたりした...
薄田泣菫 「茶話」
...水を鱈腹飲んだらしい...
田中英光 「箱根の山」
...西瓜(すいか)を鱈腹(たらふく)やったんで」「それじゃ腹をこわさねえ方が不思議だ」「相すみません」「俺へ詫(わ)びなくたっていい...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その時はお客樣で鱈腹(たらふく)呑(の)むが宜い」「呑んだつてつまらねえ」「ひどく落膽(がつかり)するぢやないか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その時はお客様で鱈腹(たらふく)呑むがいい」「呑んだってつまらねえ」「ひどく落胆(がっかり)するじゃないか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「明日は鱈腹(たらふく)飯を食って...
林芙美子 「泣虫小僧」
...鱈腹飯を食べたり...
原民喜 「氷花」
...鱈腹(たらふく)くいたい方でしてな...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...玉菜汁(シチイ)と粥(カーシャ)を鱈腹つめこみ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...豪勢ね! 祭りの間ぢゆう鱈腹食べられるわ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...今度はお客さんも鱈腹つめこんだことだから...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...その妻が持ち出す膳をその妻に毒味せしめて後鱈腹(たらふく)吃(く)うて去ったという...
南方熊楠 「十二支考」
...坊主が自分の好く物を鱈腹(たらふく)頬張って得脱させやったと称えた例は...
南方熊楠 「十二支考」
...その次には安洋食店に這入って酒を飲みながら鱈腹(たらふく)詰め込んだ...
夢野久作 「黒白ストーリー」
...鱈腹(たらふく)たべて...
吉川英治 「新・水滸伝」
便利!手書き漢字入力検索