...それはドイツの城に幽霊がよく出没するのとおなじことである...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「幽霊花婿」
...今はカフエに出没する以外に一事を成就しない少年までも灼熱底なる徹底を愛してゐる...
芥川龍之介 「僻見」
...「もう大分以前からこの林の中に黄金仮面が出没するという噂があったのだ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...殊にこの辺りの海は夜霧が多く話に聞けば兇悪な大鱶(ふか)さえも出没すると云う...
大阪圭吉 「死の快走船」
...ゲリラが出没する地帯へ俺たちは軍の貨車(トラック)に便乗して行った...
高見順 「いやな感じ」
...芸者の姿が街をよこぎって横町から横町へと出没するばかりである...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...なお火事場泥棒式の悪漢が出没するけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...ここでは土を担いだり石を運んだりさまざまに変幻出没するけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...滑稽な事件が出没するというのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...岩蔭の孔(あな)らしい所から頻(しき)りに出没するのを見れば...
中島敦 「環礁」
...近頃人も無気(なげ)に出没する怪盗――風のごとく去来するから世間では風太郎(かぜたろう)と言っておりますが――には全く手を焼いてしまいました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...この仮定の人物が至るところへ出没するんだよ...
平林初之輔 「鉄の規律」
...時々ジム・ベイヘムが出没すると...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...自由に出没すると言う...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...草むらを出没する蜥蜴(とかげ)は背に緑の筋を持っている...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...出没するのであるが...
山之口貘 「詩とはなにか」
...諸将のぎらぎらした眸にはすでにその辺に出没する敵影が見え始めているようだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...かならず出没する野武士だの悪い里人などにつかまって...
吉川英治 「新書太閤記」
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