...春三郎は病院の冷たい鬱陶しい心持と比べてこの家庭の平和な暖かな味に醉ふやうに覺えた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...……東京も毎日鬱陶しいことです...
徳田秋聲 「芭蕉と歯朶」
...鬱陶しい梅雨の季節が過ぎ去ると...
豊島与志雄 「土地」
...「鬱陶しい御天気ぢやありませんか」と愛想よく自分で茶を汲んで呉れた...
夏目漱石 「それから」
...鬱陶しい顏をするのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何の鬱陶しい天氣もなく...
萩原朔太郎 「宿命」
...真名古のこの鬱陶しい態度にさすがの総監も業をにやし...
久生十蘭 「魔都」
...鬱陶しい雨模様であった...
火野葦平 「花と龍」
...私はそんな鬱陶しいお天気をかえって好いことにしていた...
堀辰雄 「楡の家」
...私は云つて鬱陶しい顔をした...
牧野信一 「環魚洞風景」
......
三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...何か荐(しき)りに考え詰めているような鬱陶しい歩みをつづけていたのである...
室生犀星 「香爐を盗む」
...鬱陶しい下水道にひとしい処であった...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...鬱陶しい夜であつた...
クスミン Mikhail Alekseevich Kuzmin 森林太郎訳 「フロルスと賊と」
...彼はひどく鬱陶しい気分におそわれた...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...鬱陶しいような気分になった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...そんな鬱陶しいその日その日が...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
...私は何だか寂しい鬱陶しい氣持を抱きながら上京の途についたのであつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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