...細長い而かも鬱陶しい谷のやうなところだ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...正面に見える富士が滅多に見えないほど鬱陶しい日が續く...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...三藏は暫く縁に立つて鬱陶しい庭を眺める...
高濱虚子 「俳諧師」
...……東京も毎日鬱陶しいことです...
徳田秋聲 「芭蕉と歯朶」
...「鬱陶しい御天気ぢやありませんか」と愛想よく自分で茶を汲んで呉れた...
夏目漱石 「それから」
...平次は鬱陶しい心持で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ああ 過去の私の鬱陶しい瞑想から 環境からどうしてけふの情感をひるがへさうかつてなにものすら失つてゐない...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...真名古のこの鬱陶しい態度にさすがの総監も業をにやし...
久生十蘭 「魔都」
...こうした鬱陶しい雰囲気がますます濃くなって来て...
堀辰雄 「楡の家」
...私はそんな鬱陶しいお天気をかえって好いことにしていた...
堀辰雄 「楡の家」
...絶対に抗し難い奇妙に重く鬱陶しい...
牧野信一 「女に臆病な男」
...その鬱陶しい枝々をつたわって...
正岡容 「寄席」
...鬱陶しい下水道にひとしい処であった...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...鬱陶しい石壁の穴だ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...低い家の鬱陶しい間から出たり...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...白粉の鬱陶しい香(にお)いと捌口のない炭酸瓦斯(ガス)の匍匐(ほふく)...
矢田津世子 「罠を跳び越える女」
...彼はひどく鬱陶しい気分におそわれた...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...おせんはそうして鬱陶しいもの思いにとらわれていた...
山本周五郎 「柳橋物語」
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