...正面に見える富士が滅多に見えないほど鬱陶しい日が續く...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...さてこの条(すじ)は……」「何だか鬱陶しいじゃありませんか...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「ペルゴレーズ街の殺人事件」
...……東京も毎日鬱陶しいことです...
徳田秋聲 「芭蕉と歯朶」
...この鬱陶しい狹い部屋が...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...この頃のやうに鬱陶しい時は頭が惡くなつて困る...
長塚節 「栗毛虫」
...「鬱陶しい御天気ぢやありませんか」と愛想よく自分で茶を汲んで呉れた...
夏目漱石 「それから」
...すべての鬱陶しい氣分を開放した...
萩原朔太郎 「宿命」
...とても鬱陶しい心配があることをあなたは知らせてくれたんだわ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...毎夜母が添臥せするような鬱陶しい所為をしてみせなかったら...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...絶対に抗し難い奇妙に重く鬱陶しい...
牧野信一 「女に臆病な男」
...その鬱陶しい枝々をつたわって...
正岡容 「寄席」
......
三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...何か荐(しき)りに考え詰めているような鬱陶しい歩みをつづけていたのである...
室生犀星 「香爐を盗む」
...鬱陶しい下水道にひとしい処であった...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...低い家の鬱陶しい間から出たり...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...白粉の鬱陶しい香(にお)いと捌口のない炭酸瓦斯(ガス)の匍匐(ほふく)...
矢田津世子 「罠を跳び越える女」
...彼はひどく鬱陶しい気分におそわれた...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...おせんはそうして鬱陶しいもの思いにとらわれていた...
山本周五郎 「柳橋物語」
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